2008年05月09日 更新

“臨時コーチ”ダルが中田にツッコミ「大人の階段をのぼれ!」

鎌ケ谷の2軍本拠地にやってきたダルビッシュ(左)は中田(右)に“教育的指導”を行った=撮影・北野浩之

鎌ケ谷の2軍本拠地にやってきたダルビッシュ(左)は中田(右)に“教育的指導”を行った=撮影・北野浩之

 日本ハムのダルビッシュ有投手(21)が8日、千葉・鎌ケ谷の2軍本拠地で中田翔内野手(19)=大阪桐蔭高出=の“臨時コーチ”を買って出た。1軍は東京から北海道・函館へ移動したが、ダルビッシュは13日からのロッテ3連戦(東京ドーム)に備えて鎌ケ谷で調整。中田の打撃練習に1時間以上も付き添うなど、初の“有翔合体”で悩める怪物を鍛え直す。

 突然。仰天。夢の“合体”だ。ダルビッシュが三塁ファウルゾーンで両手を腰に当て、三塁の定位置で1人でノックを受けていた中田の守備練習をジッと見つめる。さらに…。「集中しろ!!」。鎌ケ谷で行われた2軍練習で、弟分の中田に声をかけ続けた。

 「いろいろな人から(中田を)頼むと言われました」とダルビッシュ。その1人が島田チーム統括本部長だった。先月、練習に寝坊で10分遅刻するなど、野球への姿勢が問題視される中田に、エースが“臨時コーチ”として抜てきされた。

 ダルビッシュは前夜、西武との首位攻防戦(西武ドーム)で今季初黒星となるサヨナラ負けを喫した。ショックも残るが、気分転換の意味も込めて指導役を快諾した。

 兄貴分の心意気に中田は大感激。いつも以上に? 機敏な動きを見せ、右へ左へダイビングキャッチを試みる。ユニホームは土で汚れ、汗と熱気で顔は紅潮していた。

 何を食べたかは不明だが、球場内の食堂で昼食をともにし、午後は2人で室内練習場へ。ティー打撃を行う中田に、ダルビッシュは1時間以上もトスをあげ続けた。

 練習の手伝いだけではない。中田が男性フォークデュオ、H2Oの『想い出がいっぱい』(1983年リリース)のサビの部分、「♪おとなの階段のぼる〜」と歌っていると「(お前が)大人の階段をのぼれ!!」と一喝。精神面の助言も忘れない。

 ダルビッシュは10、11日のソフトバンク戦(函館)に帯同せず鎌ケ谷で調整。「ここ(鎌ケ谷)にいる間は(練習を)やらせますよ」とニヤリ。約2カ月ぶりの再会にして初の合体。悩める怪物を覚醒(かくせい)させる。

(吉村大佑)

★ダルに聞く

 ――中田の“臨時コーチ”を務めた

 「(中田は)いろいろな人に(練習態度などが)ひどいといわれている。いろいろな人から(中田を)頼むと言われました」

 ――中田はいつも以上に張り切っていた

 「『ちゃんとやれよ』と言いましたから」

 ――今後は

 「(電話など)見ていないところで言ってもやらないので、(自分が)ここ(鎌ケ谷)にいる間は(練習を)やらせますよ」

 ――室内での打撃練習に付き合ったが

 「ティー打撃(のボール)を投げてやったぐらいです」

★水上2軍監督「実力がある人が言ってくれると効く」

 中田を指導したダルビッシュについて、練習を見つめていた水上2軍監督は「実力がある人が言ってくれると効くみたいだね。助かります」と感謝。育成会議のため鎌ケ谷を訪れた山田GMは「(ダルビッシュは)『ボクが教育しますよ』と言っていた。みんなで愛情を持って育てていきます」。チームをあげて怪物を育成する。

■ダル&中田は毎月仲良し

 ◆07年12月10日 新人選手入団会見で、対戦したい選手を聞かれた中田が「ダルビッシュさん」と珍回答。これにはダルも「先にパの投手を勉強せんと」と大笑い
 ◆08年1月7日 中田の入寮前日にダルが千葉・鎌ケ谷で行っていた自主トレを打ち上げ。「逃げますよ」と怪物フィーバーを回避
 ◆2月1日 沖縄・名護キャンプ初日に中田のフリー打撃をダルが見学。「(打球が)エグいなあ」と実力を認めた
 ◆3月10日 札幌市内で行われたトークショーにダルが登場。練習態度を批判され、自ら2軍落ちを志願した悩める中田を「1軍にいないといけない選手。逆境をどうはね返すか、みんなで教えていけたら」と擁護
 ◆4月22日 イースタン・リーグの巨人戦で中田が誕生日弾となる2号2ランを放ち、「すごいッスね、オレ」と自画自賛。ダルは「2軍で打ってもしようがないでしょ」と辛口エール