2008年05月09日 更新

悪夢振り払う炎の10球!巨人・クルーンが虎打線に仕返しS

こちらは「打ち直し」ならぬ「仕返し」。甲子園の屈辱は東京ドームで晴らす。クルーンが九回を見事に締め、高々と太い右腕を突き上げた=撮影・春名中

こちらは「打ち直し」ならぬ「仕返し」。甲子園の屈辱は東京ドームで晴らす。クルーンが九回を見事に締め、高々と太い右腕を突き上げた=撮影・春名中

 (セ・リーグ、巨人6−5阪神、9回戦、阪神6勝3敗、8日、東京ドーム)リベンジだ。心はメラメラと燃えていた。右腕はブルブルと震えていた。やられたら、やり返す。クルーンがこん身の「仕返し」セーブだ。

 九回に腕をグルグルと回して登場。首位打者の新井を三振、前夜のヒーロー・金本を二ゴロ。最後は157キロの直球で、葛城を空振り三振に仕留めた。

 「この前の甲子園のときのことがよぎった。チームも逆転していたし、リベンジの気持ちもあったよ」。右腕を突き上げた後、満面の笑みでナインとハイタッチ。同一カード3連敗を阻止する好救援。いや、それ以上に特別な思いがあった。

 1点リードの九回。先頭打者は4月27日の阪神戦(甲子園)でサヨナラの押し出し四球を与えた新井だった。

 「今でも押し出しの1球はストライクだと思う。きょうはテンションが高くなったね」。あの時とは違うクルーンを、猛虎打線に見せつけた。

 大乱調だった甲子園。実はブルペンでの投球練習で右手中指のツメが割れていた。「ツメが浮き、自分でそれを食べて破ってしまった。血が出てきたけど、今はツメが再び生えてきたからね」。その時は言い訳を口にしなかったが、今はもう笑い話だ。

 不振の上原に続き、この日、木佐貫が2軍に降格した。投手陣の台所事情は苦しく、原監督は先発の栂野を3回で降板させ、計6投手の継投で接戦をモノにした。

 「今はリリーフ陣もがんばっているからね。価値のあるセーブだった」。いつでもいく。オレに任せろ。9日からは本拠地で中日との3連戦。虎に「仕返し」したあとは竜を退治する。

(伊吹政高)

★救援だけじゃない!クルーンは人道支援にも力

 守護神クルーンはチームの「救援」だけでなく、人道支援活動にも力を入れている。この日は「世界赤十字デー」で、Gナインはヘルメットの耳あてのある側に、赤十字マークをつけてプレーした。

 クルーンも試合前のフリー打撃に参加し、このヘルメットを着用。ロッカールームには、今月2日にミャンマーを直撃した大型サイクロンの被災者への募金箱が設置されているが、クルーンは「大変心配している」と真っ先に募金したという。


■巨人・甲子園サヨナラ負けVTR

 4月27日の阪神戦(甲子園)。1点リードの九回にクルーンが登板したが大乱調。赤星の遊撃内野安打で同点にされ、なおも二死満塁。新井に対し、フルカウントから外角に156キロの直球を投げ込んだがボールとなり押し出し四球。3−4でサヨナラ負けを喫した。判定に納得のいかないクルーンは鬼の形相で球審に「ブル・シット!!(くそったれ)」と暴言を吐き、試合終了直後に退場処分となった。