2008年05月07日 更新

西武・石井一、移籍後初完投でハーラートップの5勝目!

サヨナラアーチを放ったボカチカ(中央)に、ナインは手荒い祝福だ(撮影・江角和宏)

サヨナラアーチを放ったボカチカ(中央)に、ナインは手荒い祝福だ(撮影・江角和宏)

 (パ・リーグ、西武3−1日本ハム、7回戦、西武4勝2敗1分、6日、西武ドーム)ごつい両腕を伸ばして抱きついた。所沢劇場のフィナーレは、ド派手なサヨナラ2ラン。歓喜のどつき合いの真ん中に殊勲のボカチカを見つけると、石井一はとろけそうな笑顔で走り寄った。

ダルビッシュに並ぶ5勝目を挙げた石井一。ベテランはまだまだ健在です(撮影・江角和宏)

ダルビッシュに並ぶ5勝目を挙げた石井一。ベテランはまだまだ健在です(撮影・江角和宏)

 「17年間の野球人生で一番うれしい勝ち方です!」

 9回119球の今季初完投。1−1のしびれる展開をしのいだ先に、ダルビッシュに並ぶハーラートップの5勝目のご褒美が待っていた。

 球に力があった。日本ハム打線を八回まで2安打。同点の九回二死一、三塁の窮地には、金子誠をこの日最速の144キロ直球で空振り三振に斬った。この姿を見た渡辺監督は思わず「何とか点を取ってやろう!」とハッパ。34歳の気迫が、攻撃陣にも伝染した。

 サヨナラ2ランを放ったボカチカは、02年に入団した米大リーグ・ドジャースの元同僚。「ボクもアメリカで悩んだから気持ちが分かる。彼らが結果を出せるとうれしい」。4月26日に1軍昇格したばかりの助っ人の活躍を石井一は自分のことのように喜んだ。

 新天地では、外国人選手に気さくに話しかけている。語学堪能な夫人の彩子さん(36)は、慣れない日本で生活を送る外国人選手の家族を食事に誘うなど、気遣いをみせる。助っ人が活躍する西武の躍進の陰には、元メジャー左腕のこんな心遣いがある。

 2位日本ハムを直接対決でたたき、今季最多の貯金10。石井一はお立ち台をこう締めくくった。「GWは最終日ですが、家に帰るまで油断しないでください」。全国レオ党が歓喜のあまり羽目を外すのを心配するくらい、今の西武は劇的で、強い。

(佐藤ハルカ)

★石井一トーク

 −−今季初の完投勝利

 「いつも野手が点をとってくれるので、きょうはボクが頑張る番、と思ってました」

 −−今季最多の119球を投げた

 「おとなしい展開だったので疲れはなかったですよ。きょうは九回行きたかった」

 −−九回の金子誠には三振を狙っていった

 「あそこは三振しかないと思っていたので」

 −−強力打線は頼もしい

 「信頼関係がありますね。我慢しておけば必ず点が入るんで」

 −−デーゲームで負けなし

 「外でやっているわけじゃないんで、朝なのか夜なのか分からないですけどね」

 −−大リーグ時代、殊勲のボカチカとは

 「陽気ないい選手だった。また一緒にやるとは思わなかったですね」

★ボカチカ雄叫び「オナカスイタ」

 九回二死一塁からバックスクリーンにサヨナラ2ランをたたき込んだボカチカは、お立ち台で「オナカスイタネ!」と絶叫。前日、夕食をともにした中島から教わった“決めぜりふ”で歓声を浴び、会心の笑顔を見せた。今季7本塁打の恐怖の9番打者に渡辺監督は「いいんだよね、9番が」とニヤリ。

■データBOX

 〔1〕西武・ボカチカが来日初のサヨナラ本塁打。サヨナラ弾は今季チーム3本目。シーズン最多は70(当時西鉄)、85、02年の各4本で、あと1本でチーム記録に並ぶ。
 〔2〕石井一は完投で5勝目(1敗)。白星はすべて西武ドームでのもの。ヤクルト時代の昨年6月6日にも勝っており、同球場(昨年はグッドウィル)での公式戦は6戦6勝、通算防御率1.80。日本シリーズでも1勝1敗ながら防御率1.46と、この球場では安定。

★裏話

 目下デーゲームで全勝中の石井一。強さの秘密は、“朝”にあった。自宅が都内にあるため、西武ドームへ向かう出発は7時20分前後。この日は車内で人気ドラマ「古畑任三郎シリーズ」のDVDを鑑賞するなど、リフレッシュにあてている。「車で時間がかかる分、目が覚めるんですよ」と石井一。試合後は「いいGWになりましたね」と笑顔の夫人・彩子さん(36)=元フジテレビアナウンサー=、長男・幹大くん(かんた=6つ)と愛車に乗り込み、一家だんらんの時を過ごした。