2008年05月05日 更新

小笠原が逆襲弾!ピンチに巨人一丸「コツコツ打線」で4位浮上

ガッツの「ガッツ」が打線を引っ張る。五回、8試合ぶりとなる6号本塁打を放った小笠原。由伸の穴はみんなで埋める(撮影・塩浦孝明)

ガッツの「ガッツ」が打線を引っ張る。五回、8試合ぶりとなる6号本塁打を放った小笠原。由伸の穴はみんなで埋める(撮影・塩浦孝明)

 (セ・リーグ、ヤクルト2−7巨人、8回戦、4勝4敗、4日、神宮)セ界の上位へ“Uターン”だ。巨人が4日のヤクルト8回戦(神宮)で7−2と快勝。3カードぶりの勝ち越しで4位に浮上した。4番の高橋由伸外野手(33)が腰痛で出場選手登録を抹消されたが、3番の小笠原道大内野手(34)が五回に中押しの6号ソロを放つなど、不振だった打線が7試合ぶりの2ケタ安打となる12安打。エースと4番のいなくなった巨人が「重量打線」改め「コツコツ打線」で苦境を乗り切る。

 確信はなかった。だから、心の中で叫んだ。「入れ」。五回、小笠原の一発が右翼席に吸い込まれた。

 「とにかく無心で振ったとしかいいようがない。少しでも(勝利に)貢献できたかな…」

 G党が陣取る左翼スタンドは、オレンジ色のタオルがフル回転。この日一番の盛り上がりで主砲を祝福した。川島亮の139キロ直球をたたき、8試合ぶりとなる6号ソロ。貴重な中押し弾に、ガッツの口元も緩む。チームの危機はオレが救う。サムライの気概はバットに乗り移った。

 試合前、ベンチに激震が走った。開幕4番の李承ヨプに続き、4月18日から4番に座っていた高橋由も腰痛で戦列離脱。前日3日に腰の痛みを訴え途中交代していたが、この日、出場選手登録を抹消された。上原とあわせ「エースと4番」がいなくなった。

 もはや、重量打線とはいえない。ならば、コツコツとつなぐしかない。ベンチも動いた。3点を奪った二回には助っ人のゴンザレスが投前に犠打。35歳の谷は二盗し、相手先発の川島を揺さぶった。六回はゴンザレスが2度目の送りバントを成功させて追加点につなげた。そんな“チーム一丸”の姿にガッツの心は震えた。

 「由伸(高橋)一人に(チーム不振の責任を)背負わせるわけにはいかない。帰ってくるまで、みんなでコツコツやるしかない」

 昨オフに左ひざの手術を受けた体は万全ではない。先日、東京ドームに約400万円の最新鋭の酸素カプセルが導入されたが、チームではただ一人、このカプセルに入っていない。医療機器には頼らない。これがガッツの考えだ。疲れはあるが連日のように球場に一番乗りして、トレーナーのマッサージで下半身の痛みを和らげてきた。

 3カードぶりの勝ち越しで4位浮上。原監督の声も弾んだ。「きょうは理想的な点の取り方ができた。ガッツの一発も大きかった」。

 エース上原に続き、高橋由の離脱…。それでも小笠原は言い切った。「こういう勝利が良薬になるからね。みんなで頑張らないといけない」。黄金週間まっただ中に迎えた危機も、ガッツのようなガッツと新コツコツ打線で乗り越える。

(伊吹政高)

◆2つの投前バント、1犠飛の巨人・ゴンザレス

 「後ろの打者を信じて送った。チームの勝利に貢献できてよかった」

◆二回に2点三塁打を放った巨人・亀井

 「(高橋由は)ぼくの師匠だから、試合でできるだけのことをしなければ、と思っていました」

◆8試合ぶりのスタメンで、二回に二盗、六回に右前打の巨人・谷

 「いい方向に打てた。つなぐことだけをいつも考えている」

【G党の声】

◆市之瀬悠くん(13)=板橋区、中学生

 「小笠原選手のホームランがすごかった。ボクもああいうホームランが打てるようにあしたから練習します」

◆後藤慎二くん(14)=埼玉・草加市、中学生

 「野間口さんが頑張ったと思う。ガッツポーズが何度も出て、カッコよかった」

★野間口が初白星

 今季初先発の野間口が5回を7安打2失点で初白星を挙げた。五回二死一、三塁のピンチでは、ガイエルをこん身の内角直球で見逃し三振にとり、派手にガッツポーズ。「ペース配分は考えず、行けるところまで飛ばしていった」と気迫の投球だった。打っても二回に先制の遊撃内野安打を放ち、投打で勝利に貢献した。

★主将の意地!阿部が3安打

 打撃不振だった阿部が4打数3安打で今季初の猛打賞。この試合まで打率.186だっただけに「あんな打率でも5番に入れてもらったから、期待に応えたかった」と笑顔をみせた。4番の高橋由が腰痛で登録抹消。「今いるメンバーみんなでやるしかない」と、主将は決意を語った。


■裏話

 試合前のミーティングで、原監督から今季2度目の監督賞(推定10万円)が手渡された。受賞者は前日3日のヤクルト戦であわやノーヒットノーランの劣勢を劇的な勝利に一変させた亀井、大道と、先発して7回を無失点に抑えた内海の3人。「殊勲打の2人はもちろん、村中に負けずに抑えた内海にも賞が出たことでミーティングはすごく盛り上がった」とチーム関係者。快勝の陰に監督の“ファインプレー”もあった。

★由伸が腰痛悪化、登録を抹消

 巨人・高橋由伸外野手(33)が4日、腰の張りのため、出場選手登録を抹消された。持病の腰痛が悪化したもので、前日3日のヤクルト戦(神宮)の八回の守備から途中交代していた。

 高橋由は今季8本塁打を放ち、4月18日の広島戦(広島)から4番を務めていたが、打率.221と不振が続いていた。原監督は「10日間で治して、元気な姿で戻ってこいと本人には伝えた」と話した。再登録できるのは最短で14日。高橋由に代わって隠善智也外野手(24)が1軍に昇格した。

★李2軍で2打席

 不振で2軍調整中の李承ヨプが、イースタン・リーグの湘南戦に「4番・一塁」で出場した。4月14日にファームに落ちてから初の実戦。中飛と四球で予定の2打席を終え、四回に途中交代した。「スイングは問題なくよかった。全力で振れた」と手応えを口にした。今後は数試合、2軍戦に出場し、1軍復帰を目指す。

(ジャイアンツ球場)

■ジャイアンツ・ダイアリー

 「もう競馬やめますわ…」。前夜のヒーロー・大道は渋い顔で神宮のグラウンドに現れた。春の天皇賞で大道が本命にしたポップロックは12着と惨敗した。
 「人気が上がっちゃったでしょ。(騎手の)内田は腕はあるけど、心臓はノミなんやから、あかんですよ」。大道がサンケイスポーツで本命に推し、某スポーツ紙も「◎」を打ったせいか、ポップロックは4番人気に浮上。大道の不安は的中した。ま、冒頭のセリフは今までに何万回も言っているんでしょうが…。