2008年04月30日 更新

原巨人、助っ人4人が大活躍!クルーン、先頭死球もS

殊勲のゴンザレス(右)を(左から)阿部、小笠原、クルーンが笑顔で出迎えた(撮影・塩浦孝明)

殊勲のゴンザレス(右)を(左から)阿部、小笠原、クルーンが笑顔で出迎えた(撮影・塩浦孝明)

 (セ・リーグ、巨人3−2広島、4回戦、2勝2敗、29日、東京ドーム)助っ人4人衆、さまさまデーだ!! 巨人は29日の広島戦(東京ドーム)で、3−2と競り勝った。27日の阪神戦(甲子園)で逆転サヨナラ負け&退場処分のクルーンが1点差を守ってセーブをあげ、グライシンガーが3勝目。打ってはラミレス、ゴンザレスの“RG砲”がアベック弾などで全打点を稼いだ。頼れる外国人カルテットが、5位転落の危機からチームを救った。

 高々と右腕を突き上げた。九回一死一塁、石原を外角低めのフォークで二ゴロ併殺に仕留めてゲームセット。クルーンは、胸のつかえが取れたようなホッとした表情を浮かべた。

 「甲子園のことがあったから、なるべく早くセーブを挙げたかった」

 1点リードの九回に登板した。いきなり4番・栗原の顔面付近にフォークが抜け、左肩口にぶつける死球。ゴールデンウイーク真っただ中、スタンドを埋めた4万超のG党の脳裏に、悪夢が蘇った。27日の阪神戦(甲子園)の大乱調…。新井にサヨナラの押し出しの四球を与えた揚げ句、友寄球審に「ブル・シット(くそったれ)」と暴言を吐き、退場処分を受けた。

 同じ過ちは繰り返せなかった。この日は、続くシーボルから3球三振を奪うなど、結局3人で締め、7セーブ目。チームの連敗を止め、笑顔で小笠原らとハイタッチを繰り返した。

 「あの押し出しは今でもストライクと信じているが、過ちを犯した。でも誰でも過ちは犯す。それに、あの1球はチームにとっても大事だったんだ…」

 エース上原が不振で、まさかの2軍降格。チームも借金生活が続き、クルーンにも重圧がのしかかっていた。甲子園での愚行は消えることはない。それでも、もう1度自分を見つめ直した。

 前日28日、神戸から帰京すると、単身赴任の自宅マンションの部屋の掃除にとりかかった。床のホコリを集めているうちに、少しずつ心も洗われるような気がした。この試合後は、ロッカールームでシャワーを浴びると、Tシャツ、ジーパン姿で報道陣の質問にも丁寧に答えた。

 “気分一新のセーブ”をあげたクルーン(年俸3億5000万円)をはじめ、外国人カルテットが大活躍。グライシンガー(同2億5000万円)が勝利投手で、ラミレス(同5億円)とゴンザレス(同1億2000万円)のアベック弾も飛び出した。「僕らは高給取りで期待されているのは分かっているし、ほかの日本人選手同様にチームのためにやっている」。クルーンは胸を張った。

 5月3日から9連戦が控え、借金2のチームは厳しい戦いが続く。「(クルーンは)甲子園ではあんなことになったけど、しっかり抑えてくれた」という原監督も1番から4番まで無安打の打線に「もう少し何とかしないと」と奮起を促した。あとは元気のない日本人選手の活躍を待つだけ。黄金週間で一気に追撃する。

(伊吹政高)

★ゴンザレス1号V弾

 ゴンザレス=写真上=が七回に決勝1号ソロを左翼ポール際に放った。「入ってくれ、入ってくれと祈ったよ」と大喜び。四回にも左前適時打を放ち、計2打点。ラミレスと一緒に両手の人さし指を突き上げる「ベネズエラの舞い」も披露した。

★ラミレス145メートル看板弾

 ラミレス=同中=が二回に左翼席上部のブルガリアヨーグルトの看板を直撃する推定145メートルの7号同点ソロ。「狙い球が来て、いいスイングができた」と自画自賛した。看板直撃弾で賞金100万円と明治乳業製品1年分をゲットした。

★グライシンガー7回2失点で3勝目

 グライシンガー=同下=は7回2失点で、今季3勝目。一回、赤松に先頭打者本塁打を浴びたが「大事なカードの頭を取れてよかった」と胸をなで下ろした。「ゴンザレスもよく打ってくれた」と殊勲者に感謝の言葉をかけた。

★伊原ヘッド猛抗議!客席から“コール”

 異例の「伊原コール」が響いた。八回、小笠原の放った鋭い打球が一塁ベースに当たって転がったが、西本一塁塁審の判定はファウル。これに一塁コーチの伊原ヘッドが激高して猛抗議し、その姿にスタンドからコールが起きた。「(冥土への)いい手みやげや〜」。判定は覆らなかったが、楽天・野村監督のものまねをするほど上機嫌だった。

★阿部、積極走塁で悠々勝ち越し点

 阿部が“足”で魅せた。四回二死から右翼線二塁打を放って出塁すると、ゴンザレスのカウント2−3から判断よくスタート。打球が三遊間を抜けていく間に悠々と本塁に生還し、勝ち越し点を奪った。「ノーマークだったし、セーフになるかと思って走った。ドンピシャだったね」。原監督も「あの積極性が今は重要だ」と絶賛した。

◆中西翔太さん(11)=東京・大田区、小学5年

「あんな大きいホームラン、初めて見たよ。ラミちゃん、すげぇ!」

◆根本美百合さん(12)=東京・江戸川区、小学6年

「試合前にクルーン選手にサインしてもらったの。投げているときとは別人で、すごくやさしい人だった」

◆興津淳一郎さん(15)=東京・調布市、中学3年

「日本人選手にももっと打ってほしかったけど、(四回の)阿部選手の走塁はさすがプロって感じだったね」

★裏話

 27日の阪神戦(甲子園)後のクルーンの上半身裸の写真を見て、ぎょっとした読者も多いはず。多くのタトゥー(入れ墨)が彫られている。右胸には「愛する息子の顔」、左肩には「民族的な模様」。また右肩には、横浜時代に“タカユキ”という日本名をつけてもらったほどの親日家らしく、漢字で「信」の文字が刻み込まれている。


■ジャイアンツダイアリー

 オールスター戦(7月31日・京セラドーム、8月1日・横浜)のファン投票用紙に「遊撃手部門」で、大ブレーク中の坂本がノミネートされることになった。球団史上4人目、野手では63年の柴田勲以来の10代選出を目指す。
 セ・リーグの遊撃は、阪神・鳥谷、ヤクルト・宮本、中日・井端と強者ぞろい。夢の舞台に立つために「(毎試合ヒットを)1本は打ちたい」と坂本。リーグトップタイの得点圏打率5割を誇る勝負強さを売りに、夢の球宴出場を目指す。