2008年04月29日 更新

巨人・上原、無期限2軍…原監督が鬼指令「はい上がれ!」

原監督はエースに2軍戦登板を通達し、厳しい表情で新幹線に乗り込んだ(撮影・浜坂達朗)

原監督はエースに2軍戦登板を通達し、厳しい表情で新幹線に乗り込んだ(撮影・浜坂達朗)

上原の完全復活はいつの日に…

上原の完全復活はいつの日に…

 はい上がれ!! 巨人の原辰徳監督(49)が28日、遠征先の大阪から帰京。不振で2軍降格した上原浩治投手(33)について「ファームで何試合か投げると思う」と明かした。5月3日から9連戦を迎え、先発陣の台所事情が苦しい中でも、あえて2軍登板が過去1度のエースに“鬼指令”を下した。上原の再昇格は、セ・パ交流戦が始まる5月中旬以降にズレ込む可能性が出てきた。

 雑踏の新大阪駅ホーム。周囲の騒々しさは耳に入らない。原監督が意を決したように、遠くに視線をやりながら口を開いた。

 「あれだけの選手で、あれだけの給料をもらっているんだから、自分で壁を乗り越えないといけないよね」

 頭の中には前日27日に2軍降格させた上原の姿が浮かぶ。開幕から0勝4敗で、防御率は規定投球回数に達したリーグ23投手中ワーストの6.75。巨人では現役最多の106勝、年俸4億円の右腕にイバラの道を踏ませることを決断。『獅子の子落とし』のごとく、谷に投げ込んだ。

 「ファームで何試合か、投げることもあると思う。再登録まで1カ月? そうだね。時間は要するかも…」

 その表情も険しい。再登録は最短で5月7日に可能だが、指揮官の考えは違った。完全復活が昇格の条件で、1試合で判断するつもりはない。2軍で数試合に登板させ、結果を残すまでは昇格させない方針を示した。

 上原の2軍暮らしは5度目だが、2軍戦の登板は2年目の00年8月14日の日本ハム戦が唯一。過去4度の2軍降格は太もも裏の肉離れなど故障が原因だったのに対し、今回は不振によるもの。前回登板した26日の阪神戦(甲子園)では三回以降に球威が急激に衰えたように、スタミナ不足も指摘されている。

 2軍で結果を出さなければ、指揮官の不安も消えず、再昇格については、まさに無期限白紙の状況。5月20日から始まるセ・パ交流戦がひとつのメドとみられるが、1軍離脱は長期化となる可能性が出てきた。

 この日、休養日の上原は29日からジャイアンツ球場で練習を再開。しばらく辛い日々が続くことになりそうだが、原監督にも厳しい戦いが待っている。

 特に5月3日からは9連戦。先発陣は4人に減っており、尾花投手総合コーチは「先発は(新たに)作ります」と説明。野間口、金刃、栂野ら若手を起用し、黄金週間を乗り切るつもりだ。

 野手では19歳の坂本がレギュラーに定着したように、先発陣にも新星が現れるか。「勝負師というのはぎりぎりの状況でやっている」。厳しさを前面に出した原監督が、逆襲の準備を整える。

(伊吹政高)

■上原・過去の2軍落ち

 ★2000年 7月2日の広島戦(広島)で左太もも裏を痛めて降板、肉離れで登録抹消。8月14日、2軍の日本ハム戦(東京ドーム)で実戦復帰。同20日の中日戦(東京ドーム)で1軍に復帰した
 ★01年 4月13日の横浜戦(東京ドーム)で左足の痛みを訴えて降板、肉離れで登録抹消。5月17日の阪神戦(福岡ドーム)で1軍復帰
 ★06年 5月4日の阪神戦(甲子園)で走塁中に右太もも裏に痛みを感じ途中降板、肉離れで登録抹消。6月4日の西武戦(東京ドーム)で復帰
 ★07年 2月11日に右太もも裏、3月15日には左太もも裏を痛め、開幕2軍スタート。4月30日のヤクルト戦(神宮)でクローザーとして1軍に復帰した

★交流戦から二岡復帰も

 李承ヨプら大物が2軍で調整している中、右ふくらはぎを痛めている二岡について、篠塚打撃コーチが「復帰は5月半ばかな」と語った。昨オフに左ひざ半月板の手術を受け、懸命のリハビリをへて1軍復帰したが、3月28日のヤクルトとの開幕戦で負傷した。「また1試合でケガしてもいけない。しっかり治して戻ってきてほしい」と同コーチ。上原と同じく、1軍復帰メドは5月20日からのセ・パ交流戦前後になりそうだ。

(神戸)

■2軍にいる主力

 ◆李承ヨプ 打撃不振のため14日に2軍落ち。2人の韓国人コーチの下、GW中にイースタン・リーグ出場予定
 ◆豊田 20日の広島戦(広島)試合前の練習で急性腰痛を発症。即日登録抹消された
 ◆林 左の中継ぎエースもオフに左ひじを手術して出遅れ。3月15日の2軍戦後に痛みが出て調整中
 ◆矢野 代打の切り札と期待されたが、3月23日に右ひじを疲労骨折。5月中の復帰を目指している

★退場クルーンに制裁金5万円

 27日の阪神戦(甲子園)で友寄球審に暴言をはいて試合終了後に退場を宣告されたクルーンが、セ・リーグの豊蔵一会長から厳重戒告と制裁金5万円を科された。試合後の退場処分は日本ハム・大島監督(91年)、西武・東尾監督(97年)らも受けているが、セ・リーグの大越事務局長は「実効はないが、処分に相当する措置」と説明した。

(銀座)

★先発4本柱は…中4日登板!?

 上原の2軍落ちから一夜明け、グライシンガー、高橋尚、木佐貫、内海の先発4本柱が練習を行い、健闘を誓った。高橋尚は「上原が気持ちよく帰ってくれば、チームが勝つ確率も高くなる」。今後の連戦では各投手とも中4日の強行軍もありそうだが、29日の広島戦に先発予定のグライシンガーは「決められた登板日にきっちり合わせて調整する」と言い切った。

(ジャイアンツ球場)

★1軍昇格

 巨人・会田有志投手(24)が29日に出場選手登録される見通しとなった。

■ジャイアンツ・ダイアリー

 遠征明けの日は選手にとって、家族と過ごせる数少ない機会。しかし、今の木佐貫は事情が違う。3月12日に長女・晴花(はるか)ちゃんが誕生し、夫人の明子さんは実家の鹿児島に里帰り中なのだ。「朝食は自分で米を炊いて、納豆で食べてます」と言うが、試合後は行きつけのすし店に連日直行。「焼き魚定食やショウガ焼きをつくってもらっています。毎日すしだと痛風になりそうですからね」。愛妻とまな娘の帰京は5月中旬の予定。独身生活もあとわずかだ。