2008年04月22日 更新
巨人・上原、故障再発の不安から衝撃発言!投げるのが「怖い」

弱気、それとも…。上原(写真下も)は、練習では異常のない両足への不安を口にした(撮影・春名中)

投げるのが怖い−。開幕から登板4試合で勝ち星なしの3敗と苦しむ巨人・上原浩治投手(33)が21日、川崎市のジャイアンツ球場で練習を行い、心境を吐露。「(投球の際)怖い部分がある」と両足の故障再発への不安を不調の理由にあげた。2軍での調整はせず、あくまで実戦の中で復調を目指すエースが、低迷するチーム、そして巨人ファンの期待を一身に背負い、25日からの阪神戦(甲子園)での次回先発に臨む。
◇
周囲の雑音に惑わされず集中するためなのか、サングラスをかけた上原が走り出した。大粒の汗を流しながら約30分のジョギング。そして練習後、心に閉じこめてきた思いを吐きだした。
「(過去に)1回投げてやって(故障して)いるから、怖い部分がある。まずは、怖さを取り除かないと…」
“怖い”。過去9年間で通算106勝の日本を代表するエースの言葉としては、あまりに衝撃的だった。4試合で0勝3敗、防御率6.12。20日の広島戦(広島)では、5回4失点でKOされた。今オフはメジャー挑戦も視野に入れる右腕には、考えられない惨状が繰り返されている。
原因は明らかだ。自身が明かしたように、これまで故障に苦しみ続けてきた両足への不安にある。尾花投手総合コーチが「(次回も)予定通りいきます。深刻に考えることではない」というように現状で故障は認められない。しかし、上原の心にすみついた不安は、ぬぐい去ることができない。
投球の際、怖さから軸足となる右足で踏ん張ることができず、踏み出す左足にも体重を乗せられない。150キロ近い持ち前の速球は、130キロ台まで落ち込んでいる。また左肩が早く開くため、制球も安定しない。決め球のフォークの落ちも悪くなってきた。
「昔は不調なときは、ミニキャンプを張って走り込んだり、リフレッシュのために休んだりもした」と香田投手コーチはいう。しかし、今の巨人投手陣には、エースを2軍で調整させるほど、余裕がない。金刃が不調で2軍落ち。現在は上原、内海、グライシンガー、高橋尚、木佐貫とギリギリの5人で先発ローテを回している。
上原も自分が立ち直って、チームを危機から救い出さなければいけないことは、痛いほど分かっている。18日の試合前練習ではフォームを修正。尾花コーチの指導で、体重移動と腰の回転を確認する動きを繰り返した。20日の試合でも、走者の有無にかかわらずセットポジションで投げるなど、試行錯誤を繰り返している。
「いろいろ自分で考えながらやっている。今は相手どうこうじゃない。自分との戦いやから」
次回は、25日からの首位阪神戦での先発が予定される。上原の復活なくして巨人の上昇はありえない。不安を振り払って投げ込むしかない。エースが背水の覚悟で、甲子園のマウンドに立つ。
(桜木理)
★上原TALK
−−修正点は
「全部。いろいろ考えながらやっている」
−−復調するためには
「どうにかせんといけんというのは、ずっと考えながらやっている」
−−両足の不安はまだ残っているのか
「1回投げてやって(故障して)いるから、怖い部分がある。まずは怖さを取り除かないと」
−−次回登板は25日からの阪神戦
「今は、相手どうこうじゃない。自分との戦いやから」
■上原・過去の故障
★2000年 7月2日の広島戦(広島)で左太もも裏を痛めて途中降板、肉離れで4週間の離脱
★01年 宮崎キャンプで30メートルダッシュの際に右太ももを負傷、肉離れで10日間の離脱。また4月13日の横浜戦(東京ドーム)で左足の痛みを訴えて降板、全治2週間の肉離れで登録抹消。9月には右ひざの膝蓋腱(しつがいけん)炎を発症しランニング禁止令が出された
★04年 宮崎キャンプでの練習中、ダッシュで右太もも裏の軽い肉離れ。戦線離脱
★05年 3月16日のブルペン投球中に右太もも裏痛が再発。1週間の投球禁止
★06年 5月4日の阪神戦(甲子園)で走塁中に右太もも裏に痛みを感じ、途中降板。軽い肉離れで全治10日の診断を受け、登録抹消
★07年 1月下旬に左ふくらはぎ痛を訴え、キャンプは2軍スタート。2月11日には右太もも裏、3月15日には投球練習中に左太もも裏を痛め、開幕には間に合わなかった
◆江本孟紀氏(サンケイスポーツ専属評論家)
「痛みは本人にしか分からないが、投手が他人の前で“投げるのが怖い”というのはタブー。軽々しく言ってはいけないし、投手として終わりよ。痛くても耐える美学もある。精神力のある上原が、弱気なことを言うのが心配だし意外やね。しかし、上原はどうしたいのか分からん。野球をやめたいのか? トレーナーや理学療法士をそろえているはずの巨人のフロントも、どうなっているのかといいたいね。ここ2試合を見る限り、そこまで悪い印象はなかったが…」
★原監督も期待
原監督は午前に遠征先の広島から帰京。都内の自宅で体を休めた後、22日の横浜戦が行われる栃木・宇都宮市に入った。先発ローテについては「それは言う必要ないだろう」と言葉少な。上原に関しては20日の広島戦後に「彼は乗り越えますよ」というなど復調に期待している。
★日テレ社長「上原まず1勝を」
日本テレビの久保伸太郎社長(64)が都内での定例会見で、今季未勝利の上原について「エースですし、重圧も大きいんでしょう」と心配した。「大勢のファンから『あのボールはダメ』といわれることもあるでしょうが、まずは1勝を挙げてほしい」とエールを送った。
(汐留)
★上原のほかにも不安が…
クルーンが祖母の葬儀出席のため18日から米国へ一時帰国しており、再来日は22日の予定。22日の横浜戦(宇都宮)まで守護神不在だ。抑えとして期待されていた豊田が20日の広島戦(広島)の試合前練習で腰を痛め、出場選手登録を抹消。代わって4年目の東野が昇格する。また、阿部が同日の広島戦で左足首付近に死球を受け、途中交代。捕手の控えを厚くするため2軍から村田善を昇格させる。

★内海、完投宣言!22日横浜戦先発
ボクが悪い流れを断ち切ります!! 22日の横浜戦(宇都宮)に先発予定の内海はいつも登板2日前にブルペン入りするが、この日はフォーム調整のため36球のピッチングを行った=写真。クルーン、豊田が不在で完投が大前提のマウンドに「ひとりで投げきるようにしたい」と意気込んでいた。
(ジャイアンツ球場)
■ジャイアンツ・ダイアリー
昼下がりの室内練習場に快音が響く。この日は1、2軍ともに全体練習は休み。そんな中、プロ6年目の育成選手、山本が休日返上で約2時間のマシン打撃を行った。
熊本工時代は「九州のカブレラ」と呼ばれ、期待されながら、昨年からは育成契約に代わった。ひたすらバットを振り抜いた23歳は「寮にいても暇ですから。とにかく練習して、試合で結果を出したい」。東京ドームで活躍する日を思い描き、努力している。
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◆次回の阪神戦登板について巨人・香田投手コーチ
「調子のいい相手に勝つことで、いいキッカケにしてもらいたい」