2008年04月21日 更新

エースの名が泣く…巨人・上原4戦連続リード守れず早くも3敗

五回一死満塁のピンチで阿部(右)、小笠原(左)に囲まれた上原はマウンドでぼう然(撮影・春名中)

五回一死満塁のピンチで阿部(右)、小笠原(左)に囲まれた上原はマウンドでぼう然(撮影・春名中)

エースのKO劇にベンチの原監督も頭を抱えた(撮影・岡田亮二)

エースのKO劇にベンチの原監督も頭を抱えた(撮影・岡田亮二)

 (セ・リーグ、広島5−4巨人、3回戦、広島2勝1敗、20日、広島)広島ファンの大歓声が耳につき刺さる。バッグをかついでベンチから現れた上原は、懸命に声を絞りだした。

 「すべてにおいて、どうにかせんといかんね。中4日の影響? それはない…」。1点リードの五回に突如崩れた。フォークを天谷、東出、アレックスに見極められ3連打を浴びるなど5回7安打4失点。3敗目を喫した右腕がプロ10年目で最大のピンチを迎えた。

 先発で開幕から4試合勝ち星なしは初めて。球が走らないうえに制球が定まらず、三振は投手のルイスから奪った1個だけ。三回からは昨年の守護神時代を思いだすかのように無走者でもセットポジションから投球するなど工夫も重ねたが打開策とはならず。五回途中6失点KOの前回15日の中日戦からプロ5度目の中4日の先発も、惨劇シーンが再現されただけだった。

 「みなさん方は4、5年前の彼の姿を追い求めすぎているのではないか…。今の状態では投手の柱ではない」

 伊原ヘッドコーチの評価も手厳しい。信頼も急降下だ。中4日の間、尾花投手総合コーチらと体重移動など投球フォームのチェックを行ってきたが、それも実らなかった。

 5位転落で首位・阪神とは今季最大の8差に拡大。原監督は「(上原は)今後も先発? 何言ってるんですか、当たり前です」とエースとの“心中”を強調したが、今のところいい材料は見当たらない。

(伊吹政高)

◆上原について巨人・尾花投手総合コーチ

「前回の登板よりはよかった。今後については、自分一人では決められない」

◆同じく巨人・香田投手コーチ

「今後の調整法については考えていかないといけないかも」

◆同じく巨人・阿部

「本来の調子ではありませんでした。五回はフォークが抜けていました」

★小笠原弾も空砲

 打線も不調から抜け出せない。4点を奪ったものの、得点は小笠原と古城の2ラン。つながりを欠き、上原を援護することができなかった。小笠原は13日のヤクルト戦(東京ドーム)以来6試合ぶりの4号にも「1試合1試合、みんなが仕事を頑張ってやるしかない」と厳しい表情だった。

★藤田、連続救援タイ記録

 七回から3番手で登板した藤田が1回を無安打無失点。橋本武広(西武など)が作った連続救援登板のプロ野球記録(526試合)に並んだ。今季3試合に登板していずれも無失点の左腕は「まだまだ投げないとダメ。記録は気にしていません」。

■【記録メモ】

 藤田(巨人)連続救援登板526試合のプロ野球タイ記録
 20日の広島3回戦(広島)で七回から登板して達成。橋本武広(ダイエー、西武、阪神、ロッテ)の持つ記録に並んだ。初の救援登板は98年4月4日の近鉄戦。

★阿部が途中交代

 阿部は広島3回戦(広島)の二回の打席で左足首付近に死球を受け、大事をとって七回の守備から交代した。

■データBOX

 巨人が20試合を終えて7勝12敗1分け、勝率.368。
〔1〕20試合で7勝以下は、47年7勝(最終5位)、75年5勝(同6位)80年7勝(同3位)、84年5勝(同3位)に次いで5度目で、過去4度すべて優勝を逃している。 勝率.368も、75年の.294、84年の.333、47年の.350に次いで4番目の低さだ。
〔2〕また20試合で12敗以上は、05年以来3年ぶり8度目。過去7度のうち、V9最終年の73年とメークドラマの96年に優勝している。

★豊田、腰痛で登録抹消

 豊田清投手(37)が20日、急性腰痛のため出場選手登録を抹消された。広島3回戦(広島)の試合前、ノックを受けていたときに突然痛みを訴え、患部をコルセットで固定して宿舎に戻った。全治などは未定。

 報告を受けた原監督は「早く戻ってこれればいいが、しっかり治してもらいたい」と険しい表情。守護神のクルーンは先月末に亡くなった祖母の葬儀出席のため米国へ帰国中。23日に再合流するまで、抑え不在となった。

■ジャイアンツ・ダイアリー

 やはり第二の故郷、広島の水が合う。06年に広島から移籍してきた木村の動きが軽い。現在も家族を広島に残し、東京で単身赴任中。15日に36回目のバースデーを迎え、今回の広島遠征では家族にお祝いをしてもらった。この日は、一番にフリー打撃を済ませると二塁、遊撃、三塁の各ポジションでノック。三塁守備では原監督の熱血ノックを受けるなど元気いっぱいだ。「やっぱり広島はいいね」とすっかりリフレッシュした様子だった。