2008年04月19日 更新
巨人・坂本が10代猛打賞!松井秀に並ぶ快挙で勝利呼ぶ

重苦しい風をこの男が切り裂いた。坂本が走る。そう、「吉村&ゴジラ以来」の風になる(撮影・春名中)
(セ・リーグ、広島1−5巨人、1回戦、巨人1勝、18日、広島)若いって素晴らしい!! 巨人・坂本勇人内野手(19)が、5打数3安打1打点。7番から1番に昇格した試合で、プロ初の猛打賞をマークした。巨人で10代の1番打者は1983年の吉村禎章(現2軍監督)以来25年ぶり、猛打賞は94年の松井秀喜(現ヤンキース)以来14年ぶりの快挙。坂本の活躍でチームは5−1と快勝だ。
◇
緊張からようやく解き放たれた。勝利の瞬間、マウンドへ走った坂本に笑みが浮かぶ。新リードオフマンに指名された19歳が、歓喜の輪の中心にいた。
「亀井さんと若い2人で頑張っていこうと話していたんです。(原監督からは)打順は気にせず、1番でも積極的にいけといわれました」
“二岡の代役”とは呼ばせない。試合前のミーティングで昇格を告げられた。青森・光星学院高1年時以来となる1番で5打数3安打1打点。三回は左前、四回は右前、七回は中前適時打と広角打法をみせつけた。
10代の1番打者は83年の吉村(現2軍監督)以来25年ぶり。同じく猛打賞は94年6月7日で松井秀が記録して以来。“吉村&ゴジラ以来”の快挙に、眠っていた打線が目覚めた。
原監督が動いた。チーム打率.216とリーグ最低だった打線を大幅に組み替えた。トップの8本塁打を放っている高橋由を4番に据え、坂本を1番に。今季2度目の猛打賞の亀井とともに1、2番が出塁して、クリーンアップにつなげる「形」を作った。
19歳への期待は大きい。原監督には顔を合わせるたびに「体を大きくしろ」と声をかけられた。昨年11月の宮崎秋季キャンプでは、夕食のメニューとは別に毎日250グラムのステーキの完食を義務づけられた。前カードの名古屋遠征でも監督に呼ばれ、他の若手選手とともにステーキをごちそうになった。
今後の打順について指揮官は「まだ分からない」と明言を避けたが、伊原ヘッドコーチは「この1、2番コンビはしばらく続くんじゃないか」と高評価。打率も.305となり、規定打席到達ではチームトップに浮上した。
「全体的にきょうは躍動感のある試合だった。自分の中では今シーズンのベストゲームだ」と原監督。13残塁も新打線は今季2番目に多い14安打を放った。二岡、李承ヨプが離脱し、阿部も不調のG打線を救ったのは坂本と亀井の若さだった。
「とにかく1打席、1打席に集中していきます」と目を輝かせる19歳。巨人が「若さ」で逆襲に転じる。
(桜木理)
★裏話
坂本は重大なことを忘れていた。18日未明に阿部に第1子の女児が誕生。1月のグアム自主トレにはポケットマネーで連れて行ってもらい、公私でお世話になる“師匠”の吉報を坂本も小耳に挟んでいたが、試合前に祝福の言葉をかけることができなかった。
「やってしまいました。試合が終わったらすぐにいいます」。あいさつや上下関係など「しつけ」にはうるさい主将のもと、野球以外でも勉強の毎日だ。
■すごいぞ坂本
★開幕スタメン 3月28日、ヤクルトとの開幕戦(神宮)に「8番・二塁」でスタメン出場。3打数無安打に終わったが、巨人では94年の松井秀喜以来となる10代先発出場 ★初本塁打が満塁弾 4月6日、阪神戦(東京ドーム)の五回に阿部からプロ初本塁打となる満塁弾。初本塁打が満塁弾は巨人では1983年の駒田以来、25年ぶり7人目。また、19歳3カ月はセ・リーグ最年少満塁弾にもなった ★打撃好調 李承ヨプ、阿部ら主力選手が不振にあえぐなか、18試合を終え、打率.305(規定打席到達)は堂々のチームトップ
■データBOX
〔1〕坂本が「1番・遊撃」で先発出場。巨人で10代選手の1番スタメン出場は、1983年4月17日の阪神戦(甲子園)で吉村禎章(19歳11カ月)が記録して以来25年ぶり。 〔2〕プロ初の猛打賞をマーク。巨人の10代選手の猛打賞は、70年以降では桑田真澄の87年7月8日広島戦(19歳3カ月)、松井秀喜が94年6月7日ヤクルト戦(19歳11カ月)など計6度を記録して以来、14年ぶり3人目。それ以前では、王貞治が60年5月14日阪神戦(19歳11カ月)など2度、堀内恒夫はノーヒットノーランを達成した67年10月10日広島戦(19歳8カ月)で3打席連続本塁打を含む4安打を記録している。
■吉村禎章
82年ドラフト3位で巨人入団。84年から外野手のレギュラーに定着した。86年から2年連続ベストナイン。88年7月6日の中日戦(札幌円山)では中堅・栄村と交錯し、左ひざの靱帯(じんたい)を断裂する大けがを負った。2度の手術と懸命のリハビリを経て、翌89年に復帰。90年には巨人のリーグ優勝を決めるサヨナラ本塁打を放ち、カムバック賞を受賞。98年に35歳で現役引退し、06年から巨人2軍監督。

新1、2番コンビの坂本と亀井(左)は「ナイスバッティング〜」(撮影・春名中)
★2番・亀井も3安打
2番に定着したプロ4年目、25歳の亀井も「10代の1番打者」に刺激されるように3安打。四回には2点適時三塁打を放った。「試合前に坂本と“若い自分たちがかき回してやろう”と話していた。これからも思いきってやるだけ」。坂本との新1、2番コンビで“重すぎる”打線に新風を吹き込む。
★由伸、今季初の4番も4の1
開幕からずっと1番を打ってきた高橋由が、昨年7月12日の阪神戦(東京ドーム)以来の4番に座った。4打数1安打と不完全燃焼のスタートに「4番だからといっても関係ない。何番でも与えられたことをやるだけ」と厳しい表情だった。
★ラミレスが通算1000試合出場
18日の広島1回戦(広島)で達成。プロ野球425人目。初出場はヤクルト時代の01年3月30日の横浜戦。
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