2008年04月11日 更新

日本ハム・ダル、岩隈に投げ勝った!自己最少の95球完封

梨田監督との約束を守った!! 今季2度目の完封勝利に、ダルビッシュはガッツポーズ(撮影・高橋茂夫)

梨田監督との約束を守った!! 今季2度目の完封勝利に、ダルビッシュはガッツポーズ(撮影・高橋茂夫)

 (パ・リーグ、日本ハム1−0楽天、5回戦、楽天3勝2敗、10日、札幌ドーム)エース対決を制した。日本ハムのダルビッシュ有投手(21)が10日、楽天戦(札幌ドーム)で今季2度目の完封で3勝目を挙げた。岩隈久志投手(26)とのエース対決は、日本シリーズ最終戦のような息詰まる投手戦。七回に犠飛で奪った虎の子の1点を守り、梨田昌孝監督(54)の期待に応えた。今や日本のエースに成長した右腕の力投を、地上波で見ることができないとは歯がゆいゾ!?

 札幌ドームには、試合終了後も緊張感が漂っていた。

 「岩隈さんも0点か1点に抑える投手。(味方打線が)ノーヒットに抑えられても、(自分も)0点に抑えたら負けはないと思ってました。だから先制点をもらったときはすごくうれしかった」

 ダルビッシュ、岩隈両エースの投げ合いは、五回までともに無安打。ダルビッシュは六回に先に安打を許し、七回にも一死から2本目を打たれたが、5番の山崎武を遊ゴロ併殺打に仕留めてピンチを切り抜けた。

 試合時間は、今季両リーグ最短の2時間8分。完封もさることながら、ダルビッシュにとっては梨田監督から下された重要な任務の遂行が最優先だった。

 球場入り後、いつものようにチームメートと卓球に興じていると、指揮官から「中継ぎがへばっているから、完投してくれよ」と頼まれた。今季、チームの完投は、開幕戦のダルビッシュだけ。フル回転を続けるリリーフ陣には、疲労が蓄積していた。

 「もちろん、最初から延長も考えて球数を意識していた。延長十二回まで投げるつもりでいましたから」

 七回を投げ終えると、ベンチで延長に入っても続投したいと直訴。その直後、待望の先取点が入った。あとは計算通り。九回二死二塁から草野を遊ゴロに打ち取った95球目は、この日最速の151キロをマーク。余力を残しての完封劇だった。

 「完投が条件だったけど、それだけ信頼しているから。ただきょうは三振より打たせて取る“大人の投球”だったね」と梨田監督。ダルビッシュも自ら「去年は走者を出すと本塁打のことを忘れて打たれたりしたけど、今年はいろいろと考えながら投げられている」と分析した。

 これで勝利数(3)など投手6部門でリーグトップ=別表。進化の速度は投げるたびに加速している。

(芳賀宏)

【ダルTALK】

 ――投手戦だったが

 「(打線が)ノーヒットに抑えられても、0点に抑えれば負けないと思っていた。先制点が入ってすごくうれしかった」

 ――最初から完投するつもりだったか

 「今まで直接言われたことはなかったけど、試合前に監督から言われた。自分でもそのつもりで球場に来た」

 ――相手の岩隈は意識したか

 「とにかく点を取られちゃいけないと思って投げた。意識したのは球数。延長十二回までいくつもりだった」

 ――投球内容は

 「最近、真っすぐの質がよくなかった。きょうは中盤から、真っすぐと変化球もいい球を投げられた」

 ――去年との違いは

 「走者を出してからとか、バント処理とか、落ち着いていろいろ考えて投げるようになった」

◆女房役の日本ハム・鶴岡捕手

 「去年は顔に“ダメ”というのが出ていたけど、今年は喜怒哀楽を出さなくなった。きょうも1点取れば勝てると思っていた。相手もいい投手で、変に余裕をもたないからよかったんじゃないかと思います」

◆七回に決勝犠飛を放った日本ハム・スレッジ

 「最低でも犠飛と思っていたので、球が高く来たのは幸運だった。(完封勝利の)ダルビッシュの気迫を感じた」

◆日本ハム・吉井投手コーチ

 「(ダルビッシュは)素晴らしい。試合前から完投を考え、延長でも投げさせるつもりだった」

◆楽天・山崎武

 「いろいろと考えてやったけど、キリキリ舞いにされちゃったね」

◆楽天・フェルナンデス

 「いい試合になることはわかっていた。1点を奪えない展開になってしまった」

◆楽天・池山打撃コーチ

 「追い込まれる前に勝負をかけたかったが、相手が上だった。球威、制球とも今までで一番だったんじゃないかな」

★梨田監督ニンマリ「運とツキある」

 初の同一カード3連勝での4連勝で貯金も今季最多の3。カード初戦(8日)は7点差からの逆転劇も演じ「生きた心地がしなかった」と振り返った梨田監督だが、「運とツキは向いている」とニンマリ。この日3安打の打線にも「七回に1安打で点を取れていい感じだった」と、次につながる勝利に納得の表情をみせた。


■データBox

 〔1〕スコア1−0での完封は3月20日、ロッテとの開幕戦に次いで今季2度目。通算4度目だが、すべて本拠地・札幌ドームでマークしている。「1−0完封」のシーズン最多は68年の江夏(阪神)で6度。現役投手の通算最多は西口(西武)の7度、次いで山本昌(中日)の6度。松坂(レッドソックス)も西武時代に通算6度記録。
 〔2〕投球数95球は9回完投ゲームでは自己最少。昨年5月23日(巨人戦、完投)と7月6日(ロッテ戦、完封)の109球を更新した。
 〔3〕試合時間2時間8分は今季両リーグ最短。日本ハムでは00年5月5日(西武、西武ドーム)の2時間7分以来、8年ぶりの短時間ゲーム。

★金子誠内野手が登録抹消

 日本ハムの金子誠内野手(32)が11日に出場選手登録を抹消される。左足付け根付近の鼠径(そけい)部を痛めており、9日の試合から欠場していた。代わりに陽仲寿内野手(21)が登録される。

パ・リーグ投手成績3傑
選手(所属) 
【勝利】
(1)ダルビッシュ有(日本ハム)
石井一久(西武)
武田勝(日本ハム)
【完投】
(1)ダルビッシュ有(日本ハム)
岩隈久志(楽天)
ほか2人
【完封】
(1)ダルビッシュ有(日本ハム)
大場翔太(ソフトバンク)
(3)岩隈久志(楽天)
ほか3人
【勝率】
(1)ダルビッシュ有(日本ハム)1.00
石井一久(西武)1.00
武田勝(日本ハム)1.00
ほか3人
【防御率】
(1)ダルビッシュ有(日本ハム)0.53
(2)岩隈久志(楽天)0.58
(3)近藤一樹(オリックス)1.23
【奪三振】
(1)ダルビッシュ有(日本ハム)32
(2)大場翔太(ソフトバンク)29
(3)大隣憲司(ソフトバンク)25
【注】10日現在