2008年04月10日 更新

天国の妻へ捧ぐ今季初白星…ロッテ・清水が魂の完投121球

天国の妻にささげる今季初勝利。涙はない。清水はバレンタイン監督(左)と歓喜の雄たけびをあげた=撮影・江角和宏

天国の妻にささげる今季初勝利。涙はない。清水はバレンタイン監督(左)と歓喜の雄たけびをあげた=撮影・江角和宏

 (パ・リーグ、西武1−10ロッテ、2回戦、1勝1敗、9日、西武ドーム)渾身(こんしん)の141キロ直球を投げ込んだ。最後の打者、G.G.佐藤を空振りの三振に仕留めると、潤んだ瞳でこぶしを小さく握り締める。1月17日に夫人の明美さんが急逝(享年32)してから83日目。清水が今季初白星をつかんだ。

 「きのう(8日)サヨナラでいやな負け方だったから、気持ちで押し切ってやろうと思っていました。チームのみんな、まわりの方すべてに感謝したい」

 121球すべてに気迫を込めた。二回には本塁打リーグトップのブラゼルのバットをへし折り、最後は無死一塁から圧巻の3者連続空振り三振。4安打完投で単独最下位転落の危機だったチームを救った。

 悲しみのときを乗り越え、1軍に合流したのはキャンプも終了した2月26日。後れを取り戻すため、自主的に走り込みの量を増やし、登板3日前のブルペンでは、投げ込みを従来の50球前後から70球以上にするなど、みんなに追いつこうと必死に体を動かした。

 「空の上から見てくれる人もいると思いますが…」。ヒーローインタビューでのそんな問いかけに、清水はこう答えた。

 「(初勝利で)何とか落ち着いて、また野球をやっていきたい」。これが天国の明美さんに贈る言葉だった。

 ウイニングボールは試合後、捕手の橋本からもらった。「家に飾っておくことにしますよ。仏壇に? さあね」。

 生前、野球ができることへの感謝の気持ちを明美さんに伝えていた清水。もちろん、このボールをささげる場所は決まっている。そのために投げたのだから…。

(高橋潤平)

★大松が満塁弾!打線爆発10得点で清水を援護

 清水に初勝利をプレゼントするため、打線が序盤から爆発した。一回に3連打で一死満塁とすると、大松が値千金の2号満塁弾を右中間に運び勢いをつけた。その後も着実に加点し、13安打10得点の猛攻で西武投手陣を攻略。大松も「(清水)ナオさんに何とか白星をつけたかった」とチーム一丸を強調していた。