2008年04月05日 更新

燕・村中が7回1失点でプロ初勝利!父特製のプリンもゲット

中日相手に7回3安打1失点。期待の若手左腕、村中がうれしいプロ初勝利=撮影・中島信生

中日相手に7回3安打1失点。期待の若手左腕、村中がうれしいプロ初勝利=撮影・中島信生

ウイニングボールを手にした村中(右)は、高田監督とガッチリ握手=撮影・中島信生

ウイニングボールを手にした村中(右)は、高田監督とガッチリ握手=撮影・中島信生

 (セ・リーグ、中日1−6ヤクルト、1回戦、ヤクルト1勝、4日、ナゴヤドーム)村中が魅せた!! この強さは本物だ!! ヤクルトの3年目左腕、村中恭兵投手(20)が4日、中日1回戦(ナゴヤドーム)でプロ初勝利を飾った。先発して7回を3安打1失点、8奪三振の快投。打線もプロ野球史上初となる、開幕から7戦連続6点以上の猛打で若き左腕をバックアップ。阪神と首位を並走だ。

 ウイニングボールを受け取ると、笑顔がはじけた。村中がプロ3年目でうれしい、うれしい初勝利。ヒーローインタビュー後、記念のボールを大事そうにズボンの右ポケットにしまった。

 「きょうは思い切って投げることができました。自分1人では(勝利は)できなかった。きついこともあったけど、皆の支えがあって勝つことができました」

 7回で8三振を積み上げた。二回無死一、二塁のピンチには中村紀、森野を連続三振。三回二死一、二塁でもウッズを空振り三振。七回に代打デラロサを141キロの内角直球で見逃し三振に仕留めると、左手を力強く握りしめた。

 村中にとってナゴヤドームは“鬼門”だった。06年10月14日にプロ初登板初先発したのが同球場。「緊張してほとんど覚えていない」と3回4失点で初黒星を喫した。この日はピンチにも動じず、「強気で攻められるようになったのが1番の成長」と胸を張った。

 家族思いの20歳だ。スタンドには神奈川県内で洋菓子店を営む父・昭文さん(47)の姿もあった。何を隠そう、村中の大好物は父の手作りのプリン。昭文さんは「初勝利を挙げたら特別なプリンをつくってあげたい」と必死に声援を送った。

 テンポのいい投球は打線にも伝わった。二回にリグスが左中間に先制本塁打。三回には二死一、二塁からガイエルが「シンカーを強くたたいた」と右中間に3号3ラン。お笑い芸人、エド・はるみの『グッグーグー』ポーズが飛び出すと、村中も吹き出しリラックスした。

 開幕から7戦連続6点以上はプロ野球史上初。投打がガッチリかみ合い、阪神と首位タイ。高田監督は「村中は期待通りだった。(開幕前は)打力がダメだといわれたチームなのにね」と笑顔だ。

 「良い流れでチームが来ていたので流れを止めたくなかった。ウイニングボール? 親にあげます!!」。独り立ちした村中が、チームにさらに勢いをつけた。

(長崎右)

★村中に聞く

 ――今の気持ちは

 「打ってもらって、守ってもらって。思い切って投げることができました」

 ――3月29日の今季初登板(対巨人、神宮)は緊張していたが

 「きょうも一回は緊張したけど、二回にピンチを抑えてふっきれた。キャッチャーだけを目がけて投げました」

 ――ピンチでは何度も宮本、福川から声をかけられていたが

 「『若いんだから思い切っていけ』と言われました」

 ――チームも勝った

 「良い流れで来ているし、流れを止めたくなかった。勝ててよかったです」

 ――年下の増渕が先に今季1勝していたが

 「特に意識はしていないです。増渕は意識していたみたいですけど(笑)」

村中の父・昭文さん(中央)は息子の初勝利をうれしそうに見届けた=撮影・長崎右

村中の父・昭文さん(中央)は息子の初勝利をうれしそうに見届けた=撮影・長崎右

★村中パパに聞く

 ナゴヤドームで観戦した村中の父、昭文さん(47)

 ――プロ初勝利です

 「本人には内証で観戦に来ていたんです。きょうは安心してみていられました」

 ――本人からは

 「電話がありました。『おめでとう』とだけ伝えました」

 ――「ウイニングボールは親にあげます」と言っていました

 「ありがたいです。家宝にします」

 ――ご褒美のプリンは

 「オフの誕生日(10月25日)にでも何か作ってあげたいですね。まだこれからですから、がんばってほしいです」

★初勝利は“闘将”のおかげ!星野監督からアドバイス

 北京五輪日本代表の1次候補選手にも選ばれた村中。2月の浦添キャンプを視察した星野監督からは「(村中は)成長している。あとは気持ちだけ」とハッパをかけられた。昨年8月のプレ五輪(北京)の際、星野監督からアドバイスをももらった。「走者を背負った際、お尻からいく(体重移動する)ようにという技術的な内容です」。重心を低く、ぶれないように、この日もすべてセットポジションから投げた村中。闘将の助言を初勝利につなげた。

★燕“ドライチ”投手が着々初勝利、加藤が5日先発へ

 村中、高校生ドラフト1巡目・由規(仙台育英高出)とともに『高卒ドライチ3兄弟』と呼ばれる2年目の増渕も開幕ローテ入りし、2日の横浜戦(横浜)で今季初勝利を挙げた。大学生・社会人ドラフト1巡目・加藤(慶大出)も3月30日の巨人戦(神宮)に初先発し、五回途中まで2失点。5日の中日戦(ナゴヤドーム)で初勝利を目指す。2軍で調整中の由規も今月中旬にはイースタン・リーグで復帰登板予定だ。

★オレ竜撃破で3年ぶり貯金5!本塁打は5戦連続!

 開幕から6試合連続で記録していた盗塁が、この日は0。それでも7試合連続6得点以上の打線で、昨季は大きく負け越した中日に快勝、3年ぶりに貯金5とした。二回にリグスの先制ソロ、三回にはガイエルの3ランと、チームは5試合連続の本塁打。「打力がないといわれているチームが…」と高田監督も驚きを隠さなかった。

★川島が靭帯損傷、全治未定…代わりに鬼崎1軍昇格

 3日の横浜戦(横浜)で右手を痛めたヤクルト・川島慶三内野手(24)が、都内の病院で検査を受け、「右手親指付け根の靭帯(じんたい)損傷」と診断された。全治は未定だが、2、3週間は患部の固定が必要で2軍降格した。代わりに大学生・社会人ドラフト3巡目の鬼崎裕司内野手(24)=富士重工=が1軍に昇格した。

■村中恭兵(むらなか・きょうへい)

 1987(昭和62)年10月25日、神奈川県生まれ、20歳。東海大甲府高から2006年高校生ドラフト1巡目でヤクルト入団。同年10月14日の中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初登板初先発。昨季は一軍登板機会なし。今季成績は2試合に登板、1勝0敗、防御率3.27。通算成績は3試合に登板、1勝1敗、防御率5.14(4日現在)。1メートル86、77キロ。左投げ左打ち。独身。年俸740万円。背番号15。

■スワローズ・ダイアリー

 打率.464(4日現在)と好調な田中浩。そんな不動の2番にも意外な“悩み”があった!?
 神宮周辺には主力選手のノボリが立っている。これには、各選手と新しく改修された球場にちなんだ紹介コメントが書かれてあり、田中浩版は『ファンの皆さん、あまりの美しさにうっとりしないでください』というもの。
 これを見たイケメン二塁手は「僕のことを知らない人はナルシストだと思っちゃうじゃないですか…」と照れ笑い。田中浩クン、今年の活躍には皆“うっとり”です!!