2008年04月01日 更新

頼むぞ!連敗ストッパー上原544日ぶり先発「悪い流れ元に戻す」

満開の桜の下で、必勝宣言した上原。手にしたバットを刀に見立てて竜退治?(撮影・今野顕)

満開の桜の下で、必勝宣言した上原。手にしたバットを刀に見立てて竜退治?(撮影・今野顕)

 オレが止める!!開幕3連敗中の巨人は、4月1日の中日戦(東京ドーム)で上原浩治投手(32)が先発する。2006年10月5日の横浜戦(東京ドーム)以来、544日ぶりの先発復帰となる右腕は、3月31日、川崎市のジャイアンツ球場で最終調整。エースが屈辱のスタートをきったチームの“救世主”となる。

 もう負けられない。上原が、キャッチボールの1球1球に力をこめた。開幕3連敗を喫した巨人は、満を持してエースをマウンドに送り込む。

 「(長い回を投げるのは)当然。流れも悪いし、どうにかして元に戻さないとね」

 室内練習場で約3時間汗を流したエースが必勝宣言だ。

 1日、06年10月5日の横浜戦以来、544日ぶりの先発マウンドにあがる。「やっぱり先発が華だと思っている」。常々こう話す上原。昨年はチーム事情で抑えにまわったが、心の中ではまっさらなマウンドに立つことを待ち望んでいた。

 大きな使命を背負うマウンドだ。開幕シリーズのヤクルト戦で、巨人は昨年最下位の相手にまさかの3連敗。先発した高橋尚、グライシンガー、栂野が中盤で交代し、中継ぎ陣は総崩れ。シーズンは始まったばかりだが、いきなり重たいムードが漂う。つまずいたG投を立て直し、心配するファンを安心させるには、スカッとエースの快投が必要だ。

 1日から対戦する中日は、昨オフに和田(前西武)がFA加入。打線に厚みが加わり、日本一となった昨年以上に手ごわい。巨人投手陣は総じて強竜打線を苦手としているが、上原だけは例外。昨年はクローザーとしての対戦だったが、12試合で1勝7セーブ。失点は「0」と押さえ込んだ。

 リベンジも果たす。昨年10月、日本シリーズ進出をかけて中日と戦ったクライマックスシリーズでは、無抵抗のまま3連敗で敗れ去り、5年ぶりリーグ制覇の喜びが吹き飛んだ。20日の第3戦後、誰よりも悔しがったのが、他の誰でもない上原。ゲームセットを見届けると、人目もはばからず涙を流し、ベンチからしばらく立ち上がることもできなかった。

 「ゴチャゴチャいってもしようがない。因縁という気持ちもない。投げるだけ」

 先週末に満開を迎えた東京の桜はすでにヒラヒラと舞い始めた。だが、巨人の春はこれから。本拠地・東京ドーム開幕戦で、エースがさわやかな春風を吹き起こす。

(桜木理)

★続け内海&金刃

 上原に続くのは、内海と金刃の左腕コンビ。2戦目に先発する内海は昨年、中日に4勝1敗をマークしている。得意としている相手だが「相手どうこうじゃない。3連敗しているので何が何でも勝たなければ波に乗っていけない」とスキは見せない。3戦目の金刃も「切れ目がない打線なので気をつけなければいけない」と警戒。ともに厳しい表情で開幕3連敗からの巻き返しを誓っていた。

◆開幕3連敗で中日戦を迎える投手陣に巨人・香田投手コーチ

「長いシーズン、こういうこともある。先発投手は責任イニングぐらいは投げてもらいたい」

■上原の連敗ストップ

★ルーキーイヤー…プロ1年目の99年4月13日の広島戦(東京ドーム)でプロ初勝利(スコアは3−0)をあげ、チームの連敗を4でストップ。5月7日のヤクルト戦(同)でも6連敗を止める勝利(5−3)で巨人を救った。この年は他に4連敗と3連敗を2度ずつ止め、“連敗ストッパー”として大活躍した
★10連敗をストップ…06年7月1日、負ければ球団ワーストタイ記録の11連敗となる阪神戦(東京ドーム)で、巨人は連敗ストップをエースに託した。上原は期待に応え、7回を6安打2失点と粘りの投球。4−2の勝利に貢献した
★守護神…中日、阪神と激しい首位争いを演じていた昨年8月17日、5連敗で迎えたヤクルト戦(東京ドーム)、2−1の1点リードで迎えた九回に抑えとして登板。「ちょっとしびれた」という緊張感の中、打者3人をきっちり抑え守護神の役目を果たした

■巨人・神宮で開幕3連敗

★第1戦(3月28日)…二回にラミレスが移籍後初打席でソロ本塁打を放ち先制したが、二岡が右ふくらはぎ肉離れで途中交代。初の開幕投手となった高橋尚も4回8安打5失点でKOされ、2−6で敗れた
★第2戦(同29日)…一回に3点を先制したが、先発のグライシンガーが古巣の打線につかまり、6回10安打3失点で降板。西村健、山口の若手中継ぎ陣も打ち込まれ、3−6で2連敗
★第3戦(同30日)…プロ初先発の栂野が一回にいきなり2失点。六回から登板した吉武、西村健、越智も相次いで炎上し、3人で8失点。2−10で敗れ、3年ぶりの開幕3連敗となった

■ジャイアンツダイアリー

 「ボクが本当にここにいていいんですかね?」。3月30日のヤクルト戦(神宮)でプロ初先発した栂野(とがの)が上原、高橋尚ら先発陣と行う練習前につぶやいた。 勝ち星こそつかなかったが5回2失点。祝福の電話やメールが多数届き、桐蔭学園高時代の友人は、ヤクルト3連戦すべて球場に足を運んでくれたという。昨年、1軍登板機会なしの右腕も、今や立派な開幕ローテ投手。大きな声援をバックに「次も投げられるように頑張ります」と張り切っていた。