2008年04月01日 更新
【センバツ】沖縄尚学が明徳義塾に快勝しベスト8進出

明徳義塾打線を1点に抑え、ガッツポーズで雄たけびをあげる東浜
(第80回センバツ高校野球大会、第10日、3回戦、沖縄尚学3−1明徳義塾、3月31日、甲子園)順延された3回戦残り1試合を行い、沖縄尚学(沖縄)はプロ注目の右腕、東浜巨(なお)投手(3年)が明徳義塾(高知)を7安打1失点に抑え、3−1で快勝。3年ぶり3度目のベスト8進出を決めた。OBの比嘉公也監督(26)が投手として果たした99年以来の優勝を目指す。1日は聖望学園(埼玉)−平安(京都)、千葉経大付(千葉)−長野日大(長野)の準々決勝2試合を行う。
◇
MAX147キロ右腕は、“くせ者”ぞろいの明徳打線にスキを与えなかった。左打者6人がホームベースにかぶり気味に立つのを逆手に、内角へのツーシームで内野ゴロ15個と手玉に取った。四回には自らの左前打で3点目も奪い、「打たせてとる自分の投球ができました」と会心の笑みを浮かべた。
1メートル81、69キロの細身の体。生後まもなく肺炎にかかるなど幼いころは薬漬けで、体力面には不安を抱える。昨夏の沖縄大会準決勝・浦添商戦では熱中症で全身けいれんを起こし救急車で運ばれ、チームは延長十一回で敗退した。以来、試合中は沖縄から持参した黒糖と塩をなめ、朝はアミノ酸、夜は休息効果があるサプリメントを摂取。体調管理に細心の注意を払っている。
今大会、チームは新大阪駅近くのホテルに宿泊する。昨夏に劇的初Vを遂げた佐賀北(佐賀)が泊まっていた宿だ。「縁起がいいですね」と東浜も思わぬ巡り合わせを喜ぶ。比嘉監督がエースナンバーをつけて優勝した99年春から9年。この日の決め球となったツーシームを伝授された“秘蔵っ子”が、再び紫紺の大旗を沖縄に持ち帰るまで、あと3勝だ。
(田中浩)
★主将の西銘、公式戦一号がメモリアル弾
主将の西銘が、一回一死二塁から公式戦初本塁打となる2ランを左翼席へ放ち、流れを引き寄せた。「ランナーが出ていたので犠打だと思ったが、ノーサインだった。監督が自分に期待してくれているんだと感じた」。1メートル67、69キロと小柄な体ながらパンチ力は十分。この本塁打は甲子園大会春夏通算1800号となった。春は606本、夏は1194本の本塁打が出ている。
◆沖縄尚学・比嘉監督
「エースが投げ、バックがしっかり守ったのが大きかった」
★その時
勝利の瞬間、一塁側アルプス席は大盛り上がり。東浜の母・孝子さん(47)は、「全員野球で頑張ってくれた」と1人息子の力投に満面の笑みをこぼした。前日3月30日には沖縄尚学の宿舎に顔を出し、体調を気遣った。「大丈夫だよ」という息子の短い返事に、「安心してスタンドから応援できました」とホッとした様子だった。
■東浜巨(ひがしはま・なお)
1990(平成2)年6月20日、沖縄・うるま市生まれ、17歳。小学2年のとき「与那城ストロング」で軟式野球を始め、与勝中では3年時に県大会優勝、九州大会4強。沖縄尚学では1年秋からエース。昨夏は県4強。家族は両親と祖父母。1メートル81、69キロ。右投げ右打ち。
■名前の由来
1人息子につけた珍しい『巨(なお)』という名前。東浜の父・忠さん(46)、母・孝子さん(46)によれば、女の子がほしくて「なお」という名前を考えていたのだという。生まれてきたのは男の子だったが、「『なお』の響きがいいので、本などで男の子らしい漢字を探しました」と孝子さん。見つけたのが『巨』の字。「心も体も大きく育つように」という願いが込められている。
◆横浜・宮本スカウト
「余力を持って投げられている。先発投手として高いセンスを持っている」
◆ロッテ・松本スカウト
「器用で、スタミナを温存して投げられている。高校時代のダルビッシュ(東北高→日本ハム)のような投球」
◆日本ハム・当銀スカウト
「岩隈(楽天)のような、長身でスマートな投手。フォームに無駄がなく、力の入れ方がうまい」
★明徳義塾・南野「気が抜けた」
左腕の南野は自らを責めた。一回に先頭打者を打ち取ったことで気が抜けたという。2番伊志嶺に中前打、続く西銘に本塁打を浴び「自分が悪い。本塁打されたのは失投です」と悔しさをにじませた。その後は立ち直って8回3失点。「インコースを使って攻められた点は良かった。夏は優勝を目指したい」と前を見据えた。
◆東浜について明徳義塾・馬淵監督
「素晴らしい投手やね。ほれぼれする。変化球は浮かないし、四球は期待できない。守りも完ぺきだった」
★聖望学園・エース大塚、強気の投球をみせる
1日の平安戦に向け、室内練習場で調整した。相手は創部100年の歴史があり、甲子園春夏通算90勝の伝統校。今大会を最後に校名が「龍谷大付属平安」に変わることで注目されているが、エース大塚は「そういうのは気にならない。自分のピッチングをして勝つだけ」。持ち味の強気の投球をみせる。
(大阪市)
★千葉経大付・エース斎藤「打者に集中」
今大会屈指の右腕、斎藤は、1日の長野日大戦に向け、ブルペンで捕手を立たせたまま約30球投げた。相手は今大会2戦で計8盗塁と大会一の盗塁数を誇る快足ぞろい。斎藤は一塁けん制が苦手というが「走者は気にしない。気にしすぎて打者に打たれるよりいい」と打者を打ち取ることに集中していく。
(鳴尾浜臨海)
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◆西銘の本塁打で先制のホームを踏んだ沖縄尚学・伊志嶺
「一回にぼくがホームを踏んで先制すると、負けないんです。これって“不敗神話”ですかね」