2008年03月27日 更新
【センバツ】“力道山の孫”慶応・田村5回1失点もKO負け

五回、本塁を狙った山崎が捕手・森川に体当たりするがタッチアウト
(第80回センバツ高校野球大会、第5日、2回戦、華陵1−0慶応、26日、甲子園)“力道山の孫”が1点に泣いた。3年ぶり出場の慶応(神奈川)は左腕の田村圭投手(3年)が先発し、5回1失点と好投したが「21世紀枠」の華陵(山口)を攻略できず0−1の完封負けを喫した。21世紀枠3校が史上初めてそろって初戦を突破した。
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ベンチで声をからして叫び続けた。「食らいつけ〜っ!!」。願いもむなしく、華陵に完封負け。10番を背負った力道山の孫、田村は祖父が眠る東京・池上本門寺のお守りをバッグに忍ばせて初の甲子園に臨んだが、悔しさだけが残った。
「簡単にとられた1点が決勝点になってしまった。自分が甘い、それに尽きます」
この日の朝、44歳の誕生日を迎えた母・浩美さんに「おめでとうメール」を送った。“マイ枕”持参で睡眠も十分。両腕、両足の付け根をベルトで締めて投球する加圧トレもこなし、左肩痛の調整遅れを取り戻しての先発マウンドだったが…。
一回、先頭打者に右前に運ばれ一死後、二盗を許す。右邪飛で三進され、4番の宇野にカットボールを左前に弾き返されて先制を許した。二回以降はマウンドでの雄たけびも復活し、5回を3安打5奪三振。悔やみ切れない1失点だった。
攻めても8安打、5四球、3失策で出た16人の走者を1人も返せなかった。六回以外はすべて得点圏に走者を進めながら13残塁。「一打出ればというところで、その一打が出なかった。甲子園の怖さを感じました」。上田誠監督(50)も苦渋に満ちた表情だ。
「甲子園は本当にいいところでした。それだけに悔しい。1点の重みを思い知らされた」と声を詰まらせた田村。墓参は最後の夏に頂点にたどりついてから果たす。
(田中浩)
★慶応・只野0封も反省
六回からマウンドに上がった只野は4回を3安打無失点も「テンポが悪く、球が高めに浮いてしまった。地に足がついていなかった」とガックリ。これまでマウンドであがったことがなかったが「甲子園は横浜とも保土ケ谷(球場)とも違った」と舞い上がってしまった自分に悔しさを隠しきれなかった。
◆全4打席で得点圏に走者を置いて打席に立ちながら無安打に終わった慶応・小川
「5番の役目を果たせなかった」
◆スタンドで観戦した慶応OB・石原伸晃衆議院議員
「3年前のセンバツより上の4強に入ってほしかった」
★華陵・宇野“おまじない”で粘りの完封
完投した宇野は六回を除いて走者を背負い続けたが、最後まで得点を許さなかった。「(おまじないで)安心して気持ちの切り替えができた」。チームにはピンチの時にマウンドでする平常心を失わないための“おまじない”がある。掛け声とともに胸を拳で触り、指を突き上げる。エースは一回に自らの適時打をあげた1点を守り抜いた。これで成章、安房に続き21世紀枠の3校すべてが初戦突破。全国の高校球児に大きな夢を与える1勝だった。

★華陵女子部員・高松、ユニホーム姿で声援
女子部員で開会式ではプラカードを持って行進した高松香奈子(3年)がアルプス席から声援を送った=写真。入場行進での制服から一変、この日はユニホーム姿となり「これが自分の制服。応援にも気合が入ります」。接戦を制したナインを「どこの部員よりもかっこいい」とまぶしそうに見つめた。
◆48歳の誕生日に甲子園初勝利をプレゼントされた華陵・大浪定之監督
「本当に子どもたちの力をすごく感じた」
◆五回二死一、二塁のピンチで矢のようなバックホーム送球で窮地を救った華陵・西山
打球が来た瞬間に間に合うと思った。宇野を助けられてうれしい」
◆先頭打者で右前打を放った後に生還した華陵・山野
「もっと点を取れると思っていたので、あれが決勝点になるとは…。チーム初安打は狙っていました」
■21世紀枠
第73回大会(2001)から導入されたセンバツの特別枠。秋季都道府県大会ベスト8以上(参加校数が128校以上の9都道府県はベスト16以上)で、部員不足や過疎などの困難な条件を克服したり、他校の模範になるなど、戦力以外の特色を加味して選出する。今年は記念大会のため例年より1校増の3枠。第73回大会・宜野座(沖縄)のベスト4が同枠出場の最高成績。
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◆4安打も得点につながらず慶応の主将・山崎
「あと一本が出なかった。みんな焦らずにいこうと声をかけていたけど、どこか焦りが出ていた」