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金本で始まり金本で締めた!先制タイムリーにVキャッチ

ウイニングボールをゲットしたアニキ

やったぜアニキ ウイニングボールをゲットしたアニキ。金本は優勝決定試合でも先制打を放った=撮影・山下香

(セ・リーグ、阪神5−1巨人、最終戦、阪神14勝8敗、29日、甲子園)“野球の神様”は見ていてくれた。最後まで試合に出続けた者だけが得るウイニングボールの権利。金本がしっかり、つかみ取った。そのまま、高々とグラブを甲子園の夜空に突き上げた。

「狙い通りやけど、ラッキーやね。まさかまさか…。ポケットに入れた? (胴上げのとき)なくさないようにな。岡田監督にあげなアカン」

予告通りだ。前日28日に最後の飛球を捕り、赤星に「明日はないですよ」と冷やかされたが、風はやはり、今季何度も虎の危機を救った4番に吹いていた。この日も一回二死二塁で、右前へ先制適時打。120打点目は、今岡と合わせ264。チームの上位2人をあわせた打点ランクで、歴代4位の最強コンビが強虎の象徴だった。

連続試合フルイニング出場891試合目。37歳にして、退くことのない絶対的な柱は本塁打、打点で自己新を更新中の活躍。しかし…。

頭部死球や発熱。8月16日の横浜戦では激しい胃腸炎に襲われた。試合前。赤星らに「何度あると思う?」と尋ねた。37度の返答に体温計を抜いた。「うわ38度や…もうアカン」。笑わせようとする顔がこわばった。

王者の行進だ

Vパレード 王者の行進だ。虎戦士がチャンピオンフラッグを手に場内を1周した=撮影・山下香

「過去最高のピンチやったな」と杉田トレーナー。延長十二回ドロー。イニングの合間ごとにトイレにかけこみ嘔吐を繰り返した。「何も出てこんかったわ。隣で鳥谷が普通に用を足しててな」。笑顔で振り返る金本に、「本気で救急車を呼ぼうと思った」と同トレーナー。その3連戦はおかゆと点滴だけで戦い抜いた。

解放されたい。そう思うときもある。しかし「結局は自分の判断、気持ち。出続けるから頑張れるというのもある。自分が出て優勝なんて最高やからな」。プライド、衰えない闘志が、戦場へと立たせる。

来季8試合目に連続フルイニング世界記録に並ぶが「常に1年単位や」と“鉄人継続”を宣言。実はアニキにはささやかな“夢”がある。「いつか、代打の切り札をやってみたい」。戦い続ける男にしかいえない言葉だった。

(堀啓介)

★赤星が先制ホーム

この日も先制のホームを踏んだのはやはり赤星だった。「最後は今年のチームの勝ち方で勝ててよかった。自分自身に『よくやった』といってあげたい」。6月には左肋骨を骨折しながら痛みに耐えて出場。「2年前は悔しい思いをしたので、今度こそ日本一になりたい」。早くも日本シリーズでのリベンジに思いを馳せていた。

★桧山がダメ押し打「最高の気分」

代打で出場の桧山は七回二死満塁のチャンスにダメ押しの右前タイムリーを放ち、意地をみせた。「今年はファンが励ましてくれた1年」と桧山。今季は開幕戦も出番なし。いきなり激しい定位置争いが繰り広げられたが、ジッと活躍の場を待った。「いろいろあったけど、いまは最高の気分」。台頭著しい若手に交じって、ファンの大歓声に笑顔で応えた。

★矢野しみじみ「みんな力がついた」

最後はマウンドの久保田めがけて疾走。矢野は少年のように無邪気に飛び跳ねて全身で喜びを表した。2年ぶりの優勝に「一回だけじゃマグレだと思われる。今年勝って本当の意味でみんな力がついたと思う」としみじみ。ただ「最後は三振ならよかった。日本シリーズでは…」。ウイニングボールを手にできるよう、日本シリーズでの雪辱を誓っていた。

◆鳥谷

「きょうしっかり打てたのは最後だけだった。ペナントは見たままで普通の重さだったね。(勝利の)喜びの輪にははじき出されて、入り込めなかった」

◆シーツ

「優勝できて、最高の気分だ。でも、ちょっぴり疲れたかな。もちろん日本シリーズでも勝ちたいね」

◆関本

「出るからには活躍したい気持ちがあった。阪神らしい勝ち方ができた」

◆浜中

「こういう時期にベンチに呼ばれたことはなかった。ことしは一軍に帰って来られるか分からなかったのでうれしい」

◆浅井

(胴上げ後に下柳、金本らと“プロレス”)「藤本さんを助けにいったら、僕までやられました。2年前とは違う? そうですね」

◆中村豊

「(岡田監督のインタビューで)名前が出て、汗が出ましたよ。あの一発(9月7日、中日戦)はみんなの気持ちが乗り移ったもの。明日のことを考えずに飲みます」

◆能見

「最高の思い出? そうですね。後はこれから、がんばります」