今秋のドラフト会議で指名された選手の仮契約が続々と行われている。巨人から1位指名を受けた平内龍太投手(22)=亜大=は23日に東京・立川市のホテルで仮契約。契約金1億円プラス出来高払い、年俸1600万円の最高評価で合意した。
11月12日。平内の姿は、母校の兵庫・神戸国際大附高のグラウンドにあった。恩師の青木尚龍監督や現役部員たちにあいさつ。高校時代の思い出として、同校で10年以上続く伝統メニュー山ランを挙げた。
「レフトの後ろに山があるんですけど、あそこを10周走る。とにかくアップダウンがきつくて、足もパンパンになるようなメニューです」
山ランでは、チーム全員がオフの約2カ月間を使って700周を走る。10周を30分以内で入るノルマが設定されており、1周1キロ弱の道のりを3分以内で走るペースでいかないと間に合わない。
取材後、山を報道陣に案内してくれた平内。「野犬がいます。しかも結構でかいんです。1回追いかけられたときは、人生最速で逃げました」。木の根がボコボコ飛び出しており、石やどんぐりがゴロゴロ転がっている獣道-。ただ全力で走るだけでは足元を取られ、けがをする。「きついですけど、やりがいを感じていました。速いやつがくると『負けられないな』と思って。競争ですね。毎日が」。集中力と体力の極限のようなメニューで、心と体を鍛え抜いてきた。
高校時代を思い返し「懐かしい気持ちになりますし『また頑張らないと』と思います」と気持ちを新たにしていた右腕。今はプロ入りに備え、筋力アップと投げ込みに重点を置いている。
最速156キロを誇る本格派右腕は球団から先発候補として期待される。「1年目から先発ローテーションに入れるように、1年間1軍にいられるように。2桁勝利を目標にやっていきたいです」。原点の地から次の目標へ、力強く突き進んでいく。(箭内桃子)