テレビも新聞もネットも、新型コロナウイルスの話題でいっぱいの毎日が続く。世界的な感染拡大が止まらず、感染者数は17万7571人、死亡者数は7391人(18日午前7時時点)。プロ野球の開幕は3月20日の予定から後ろ倒しになり、いまだ決まっていない。
シーズンは始まらないが、各球団の申し合わせにより練習試合は行われる。特に神経を使いそうなのが、ビジターの遠征先での過ごし方。巨人は既に外出禁止の指令が出されて食事はホテルの食事会場で取るように決まっている。そんな会場のホワイトボードには、球団の栄養管理を担当する斉藤裕子さんによって、免疫力向上につながるアドバイスがこまめに書いてあるという。おすすめの食材やメニューをはじめ、手洗いうがいのポイント、そして最近加わったのが「遠征の時こそお風呂に入ろう」という内容だ。
遠征先のホテルではシャワーで手短に済ませてしまう選手が多いが、入浴こそが免疫力アップの大きな鍵を握るそう。疲労回復が目的のメインとなる半身浴とは異なり、この場合は40度くらいの熱めのお湯に10分ほどつかることがポイント。それにより、熱を加えると活動し始める『ヒートショックプロテイン』が活性化しストレスを受けた細胞の修復を行う。若返りなどにつながり、美容にも有効だという。
巨人では他にも球場クラブハウスの食事会場のトングをこまめに変えたり、30秒以上の手洗いや除菌、うがいを行うよう呼びかけるなどの対策をとっているという。免疫力が上がる食材を尋ね、積極的に取るように心がけている選手の姿も増えている。「腸内環境を整えることが大事です。トマトなどの野菜や、ビタミンを豊富に含む果物、乳酸菌が含まれる食べ物は免疫力アップに効果的です。キムチなどの発酵食品もいいと思います」と斉藤さん。日頃の小さな積み重ねが予防につながるかもしれない。感染拡大が収束し、ファンの方々が球場で心置きなく選手たちを応援できる日が来てほしい。(箭内桃子)