3番手で登板する阪神・藤浪=かりゆしホテルズボールパーク宜野座(撮影・松永渉平) 春季キャンプ練習試合(16日、阪神7x-6楽天、沖縄・宜野座)先発のガンケルが2回を投げて1安打無失点。3番手の藤浪は3回を投げて3安打2四球で2失点。楽天戦で残した結果は現状の2人の状態をそのまま表している。
ガンケルは身長196センチで藤浪は197センチ。リーチの長さや足の長さなど体形はよく似ている。ところが、2人の違いは何かと言えば球持ちの時間に尽きる。投球フォームに力みがなく、それでいて腕がシャープに振れるガンケルの投球に打者は差し込まれていた。直球の球速は142~143キロだったにもかかわらず、だ。左腕岩崎も同じで、長くボールを持っていられるから、打者は打ちにくく、差し込まれる。
一方の藤浪は150キロ超の直球を投げていても、打者から空振りを取れない。ガンケルに比べて球離れが早く、球速はあるように見えて、打者は速さを感じていない。ガンケルとの違いはリリースポイントが打者から見て遠いか近いかであって、藤浪が目指す次の段階はガンケルのような球持ちの良さだ。
それでも一時期のことを考えれば、藤浪のリリースポイントは一定になってきた。粘り強く復活に向けて努力を積み重ねるしかないだろう。 (サンケイスポーツ専属評論家)