中日・伊東ヘッドコーチ=北谷公園野球場(撮影・甘利慈) 中日・伊東勤ヘッドコーチ(57)が11日、野村克也氏(享年84)の訃報を受け、取材に応じた。
「体調があまりよくないという話は聞いていましたけど、まさかきょう、そんなそんな話を聞くとは思いませんでしたし、野球界にこれだけの貢献をされてこられた方。僕も現役として直接の対戦はないですけど、敵チームの監督であったり、西武に入ったとき(1982年)に入れ替わりだったんですけど、今でも印象に残っているのは『キャッチャーは早くても5年かかるぞ』という言葉をいただいて、あれだけ偉大な方だったので、声をかけていただいたこと自体がうれしかった。野球界で功績を残された方なので残念でしかありません」
92、93、95年には西武の正捕手として、野村ヤクルトとも対戦。「伊東VS古田」と、捕手対決としてクローズアップされたことで印象にも強く残っていい、「『お前の配球は分からない』とほめ言葉をもらった」という。
また、野村さんが2006-09年に楽天の監督、伊東ヘッドコーチも02-07年に西武の監督を務め、監督としての対戦経験も持つ。伊東ヘッドコーチは西武の監督を退任する07年のある試合の前、メンバー表交換の場でユニホームを脱ぐことを直接、報告。「あなたみたいに野球をよく知っている人はあまりいない。野球界としては宝をなくすようなものだよな。残念だね」と声をかけられたエピソードを明かすと、涙を流した。
同じパ・リーグ出身の捕手。「(野村さんは)口が悪いところもありましたけど、優しさの裏返しだと思いますし、今後、われわれが下のものを育てていかないといけないので、少しでも野村さんの位置に近づけたら、と思いながら指導していきたいと思います」と話した。