必死に腕を振った岩貞。開幕ローテに入れなかった悔しさをぶつけた(撮影・村本聡)【拡大】
(セ・リーグ、阪神8-3ヤクルト、3回戦、ヤクルト2勝1敗、15日、甲子園)悔しさを胸に思いっきり腕を振った。一回先頭山田への1球目から、気迫みなぎる143キロ。開幕ローテから漏れ、今季初先発の岩貞が、甲子園のマウンドで堂々のピッチングを披露した。
「開幕に入れなくて悔しい気持ちを、この登板にぶつけました」
四回まで1-0の緊迫した展開。それでも焦らず冷静に投げ抜いた。序盤、真っすぐが思うように走っていないことを感じると、調子がよかったスライダーを中心に組み立て。6回を4安打、失点は五回の鵜久森の犠飛1点のみ。思いを込めた93球で、今季初勝利をつかんだ。
開幕直前、先発ローテ戦線から離脱。開幕後も2軍で先発する日々に、始めは少し気落ちしていたという。
「自分でもへばっていることはわかっていたけれど、それでも『絶対に開幕ローテに入りたい』という気持ちと『この状態で入っても…』という気持ちとがどっちもあって。複雑な感じだった」