【若松勉 芯打ち登場】
降板後にベンチの上原は険しい表情(撮影・山田俊介)【拡大】
(セ・リーグ、巨人4-5広島、3回戦、広島2勝1敗、15日、東京D)上原が打ち込まれた原因は、スプリット・フィンガード・ファストボールが落ちないことに尽きる。開幕当初は落差が大きく低めに制球されていたが、この日は高めに浮いて打ってくださいといわんばかりの“半速球”になっていた。菊池に浴びた本塁打は典型的な一球。上原の直球が生きるのも、スプリットがあってこそだ。
この状態では接戦での投入は厳しいし、本人にも酷。点差の開いた展開など楽な場面で起用しながら、復調を待つのが得策だろう。チームにいい影響を与える選手だし、年齢を考えても2軍調整をさせるべきではない。
打線では、案の定というか、ゲレーロが厳しい攻めに苦しんでいる。1点差の九回一死満塁で内角球にバットを折られたのが、その象徴だ。昨季は中日で35本塁打したが、決して厳しいマークにあっていたわけではない。
鍵を握るのは阿部だろう。15試合で7打席はあまりに少ない。このままでは試合勘も鈍ってしまう。一塁・阿部、二塁・マギー、三塁・岡本の布陣もありではないか。このままでは、ずるずると後退する危険性もある。手を打つべき時だと思う。 (サンケイスポーツ専属評論家)