ますますパワーアップしていた。長距離砲特有のアーチ。それをバックスクリーンにブチ当てるのだから迫力もさらに増す。泣く子も黙る中谷のフリー打撃。熾烈な中堅争いで、初日から猛アピールした。
「金本監督から『よくなっている』といわれました。しっかり続けていきたいです」
73スイングで13発。引っ張るだけではなく、逆方向にも強い打球を飛ばしていた。昨季は自己最多、球団の生え抜き右打者では浜中治(現2軍打撃コーチ)以来の20本塁打をマーク。フリー打撃をじっと見守った指揮官は、さらなる上積み可能とジャッジした。
「中谷がよくなっているね。昨年よりは一歩、確実に前進している。これだけはやっておけ、ということをスカウトを通じて言ったんだけど、しっかりやってきている」
キャンプイン直前の1月に向け、中谷は虎将から宿題を出されていた。
それは右足の使い方。「後ろの足がしまっていない。それを意識してやれ」-。しっかりと力を打球に伝えるポイントを自主トレ期間中に会得。この日、証明した形だ。
「ダメなところも、まだあると思うので。ただ、そういってもらえたのを意気に感じて、やっていきたいです」
過去2年、北條、高山ら2年連続で活躍できた若虎はいない。しかも、今季は一塁に強敵・ロサリオが加入し、残る中堅を高山、俊介らと競う立場。初日MVPの勲章をエネルギーにする。 (阿部祐亮)