2017.12.8 12:00

【ダッグアウトの裏側】ヤンキース、大谷争奪戦だけでなく監督選びも失敗? ブーン氏はコーチ経験なく不安…

【ダッグアウトの裏側】

ヤンキース、大谷争奪戦だけでなく監督選びも失敗? ブーン氏はコーチ経験なく不安…

特集:
大谷翔平
ダッグアウトの裏側
現役時代のブーン氏は2003年リーグ優勝決定シリーズ第7戦、延長十一回のサヨナラ弾が有名(AP)

現役時代のブーン氏は2003年リーグ優勝決定シリーズ第7戦、延長十一回のサヨナラ弾が有名(AP)【拡大】

 米大リーグ、ヤンキースの新監督にアーロン・ブーン氏(44)が就任することになった。2009年限りで現役を引退。10年からスポーツ専門局『ESPN』で解説者を務めていた。

 「これまで44年間、この仕事のために準備してきたといえる」とヤ軍との面談後にコメントしていた同氏は“エリート一家”の一員だ。大リーグ史上唯一、親子3代で球宴に出場。ESPNによれば、過去35年の全選手名と背番号を覚えており、監督や選手の物まねも得意だそうだ。

 確かに記憶力や観察力は監督にとって大切な要素だが、最も重要なのは決断力だろう。当欄でも何度か書いているように、近年の大リーグでは膨大なデータから必要な情報を抽出し、采配に生かすことが求められている。用意された資料を眺めながら解説するのとは、まったくスピードが違うのだ。

 何度も取材をしたので、ナイスガイという評判に異論はないものの、監督どころかマイナーリーグでさえコーチ経験がないのは明らかに不安材料。よほど優秀なコーチ陣をそろえないと、来季は苦戦するだろう。

 最終的に監督候補はヤ軍のロブ・トムソン・ベンチコーチ、ジャイアンツのヘンスリー・ミューレン打撃コーチ(元ヤクルト)との3氏に絞られていた。ジョー・トーリ監督が退任した07年オフと同じ展開。当時はドン・マッティングリー・ベンチコーチ(現マーリンズ監督)、トニー・ペーニャ一塁ベンチコーチを抑えて、系列局の解説者を務めていたジョー・ジラルディ氏が監督に就任した。

 どちらも選んだのはブライアン・キャッシュマンGMだが、10年前のジラルディ氏はすでにマーリンズで監督経験があった。ブーン新監督の誕生で、マイナー時代を含めて27年もヤ軍を支えてきたトムソン氏がフィリーズ移籍を決断したのも大きな痛手だ。

 日本ハムの大谷争奪戦では面談前に脱落した同GM。今回の監督選びも残念な結果に終わりそうな気がする。

田代学(たしろ・まなぶ)

サンケイスポーツ編集局次長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。

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