2017.10.15 13:00

【球界ここだけの話(1059)】現役に別れを告げた阪神・安藤の内に秘めた闘志 今でも色濃く残るヘッドスライディングの傷

【球界ここだけの話(1059)】

現役に別れを告げた阪神・安藤の内に秘めた闘志 今でも色濃く残るヘッドスライディングの傷

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サンスポ記者の球界ここだけの話
10月10日の中日戦に登板した阪神・安藤

10月10日の中日戦に登板した阪神・安藤【拡大】

 阪神・安藤優也投手(39)が10日の中日戦(甲子園)で現役生活に別れを告げた。タテジマひと筋16年。記憶にも記録にも残る男だった。最後のスピーチに、甲子園に駆けつけた3万5748人が涙した。

 「私の長い野球人生をともに走っていただき、本当にありがとうございました。おかげさまで、走り抜くことができました」

 真面目で実直。安藤という男を語るとき、そんな言葉が頭に浮かぶ。大分雄城台(おぎのだい)高時代のチームメートは「マウンドで表情には出さないんですけど、内に秘めた闘志はすごいです」と語る。当時も練習で人が見ていないところで黙々と取り組んだ。

 そんな安藤が、気持ちを前面に出したときがあった。県内NO・1投手として挑んだ最後の夏。日田高との準々決勝、0-0の五回だった。二塁にヘッドスライディングした際に左手の中指と人さし指の間を裂傷。十数針を縫う重傷を負った。エースとして六回のマウンドにあがるも、出血が止まらず。審判にも止められて無念の降板となった。「あれがなかったら甲子園に出ていたかもね」。今でも色濃く残る傷を眺めながら安藤は振り返った。

 今季は2軍で汗を流す日々だった。しかし、場所や時間を問わず、自身の経験を惜しみなく若手に伝えた。ある若手は「経験も踏まえて話してくれるので、かみ砕きやすいし、説得力がありました」と目を輝かせた。

 今後は育成コーチとして球団に残留することが濃厚だ。前述のチームメートは「引退のスピーチを聞いて『こんなに話す方なんだ』ってびっくりした。将来の話をするときも『口べただから、解説者とか無理だろ』とかおっしゃっていましたから」。高校時代の恩師で野球部の監督だった板東一彦さんは「彼はチャレンジ精神があって多くの経験をした。必ずいい指導者になる」と太鼓判を押した。16年間、お疲れさまでした。安藤の新たな人生が、記者も楽しみで仕方ない。(竹村岳)

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