2017.9.11 13:00

【球界ここだけの話(1025)】元阪神・加藤康介、BCリーグ・福島でコーチ兼任で奮闘 キレのあるスライダーも健在

【球界ここだけの話(1025)】

元阪神・加藤康介、BCリーグ・福島でコーチ兼任で奮闘 キレのあるスライダーも健在

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
福島ホープスで投手兼投手コーチの加藤康介

福島ホープスで投手兼投手コーチの加藤康介【拡大】

 2017年9月10日。プロ野球のシーズンが佳境を迎え、優勝争いがし烈をきわめる中、名選手がまた1人、現役に別れを告げた。ルートインBCリーグ・福島ホープスの岩村明憲兼任監督(38)。21年間の選手人生に幕を閉じ、来季からは選手兼任ではなく、監督に専念することになった。

 その岩村が指揮をとる福島ホープスで同じくコーチ兼任で奮闘している投手がいる。元阪神タイガースの加藤康介(39)だ。2001年にロッテでプロ野球人生をスタートしオリックス、横浜(現DeNA)、阪神と渡り歩いた。

 2011年から虎戦士の一員となったが、よく翌12年から虎投リリーフ陣の一角として活躍。13年には61試合に登板し、1勝2敗16ホールド、防御率1・97とキャリアハイをマークした。マウンドに上がると鬼のような形相を浮かべ、汗をしたたらせながら躍動感のあるフォームからキレ味鋭いスライダーを投げ込む姿に、声援を送ったファンも多いはずだ。

 だが、15年に戦力外となり、16年から福島で投手兼任投手コーチを務めることに。そんな左腕も岩村の引退試合となった10日の武蔵ヒートベアーズ戦(開成山)で今年のレギュラーシーズン最終戦に臨んだ。

 3-3の八回だった。阪神時代と同じ登場曲、スキマスイッチの「ゴールデンタイムラバー」が球場に流れる。好きなアニメ「鋼の錬金術」を鑑賞中に耳に入り、「勝負師の歌やな」と歌詞に感銘を受けた同アニメのオープニング曲とともにマウンドへ。先頭打者を遊飛に打ち取ると投ゴロ、左飛でこの回を三者凡退。最速は140キロながら、阪神時代から変わらぬ投球フォームで、「しょんべんスライダーだよ」と苦笑いしていた伝家の宝刀も健在。プレーオフのかかったゲームでキッチリ後続にバトンをつないだ。

 その直後の九回。自身の後を受けたダニエル・ウルタド投手が一死一、三塁のピンチを招くと、今度は加藤は投手コーチとしてマウンドへ。アイシングを施す間もなく、後輩投手に助言を送った。「自分のアイシングとかしている時間はないね」と言いながらも、どこかうれしそうな様子だった。徐々に教える楽しさも感じてきているという。

 チームは3-3の引き分けながらも、プレーオフ進出決定。16、17日に前後期優勝の群馬ダイヤモンドペガサス(前橋)との地区チャンピオンシップに挑む。試合後は岩村の引退セレモニー、そして、胴上げが行われた。その歓喜の輪で控えめに喜ぶ加藤。「プレーオフがあるから、まだまだがんばるよ」。その目はすでに、勝負師の目に変わっていた。加藤康介はいま、福島で戦い続けている。(西垣戸理大)

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