2017.7.18 13:00

【球界ここだけの話(970)】巨人の守護神カミネロが“魔球”スプリットを突如解禁した戦略的理由

【球界ここだけの話(970)】

巨人の守護神カミネロが“魔球”スプリットを突如解禁した戦略的理由

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サンスポ記者の球界ここだけの話
スプリットを解禁した巨人・カミネロ。守護神が後半戦に向けてバージョンアップした

スプリットを解禁した巨人・カミネロ。守護神が後半戦に向けてバージョンアップした【拡大】

 17日の巨人-中日(ナゴヤドーム)。九回、4点リードの場面で巨人の守護神・カミネロがマウンドに上がると、先頭の藤井を鋭く落ちる縦の変化球で空振り三振に仕留めた。スプリットフィンガード・ファストボール(通称スプリット)。高速フォークとも呼ばれるこの球は球速147キロを表示し、場内にはため息がもれた。

 昨季、カミネロが米大リーグで被打率・045と驚異的な数字を残す武器となった“魔球”だが、開幕から5月なかばまでに12球を投げただけでその後は2カ月近く封印してきた。ところが、5日の広島戦(マツダ)で突如解禁。そこからは三振を量産した。最速164キロの直球に加え、打者に脅威を与えている。

 なぜ、このタイミングで封印してきたスプリットを解禁したのだろう。本人はこう打ち明ける。

 「常に武器としては考えていたよ。(日米の)ボールやマウンドの違いで投げにくいということもなかったしね。ただ、細かいことは言えないけれど投げなかったのは戦略的な理由だったんだ」

 戦略的な理由とは? カミネロは開幕からクローザーを任され、直球を主体にスライダー、カットボールで打者を抑えてきた。ただ、6月以降は速球に対応されることも多くなっていた。

 村田善バッテリーコーチは「投げてくると分かっていれば、いくら速くてもバットに当てられてしまう。ファウルで粘られて、球数がちょっと多くなっていた」と証言する。つまり、描いていたのは前半戦は最大の武器である直球で勝負し、対応されてきたタイミングでスプリットを解禁する-という戦略だったのだろう。

 また、ブルペン担当としてカミネロを最も近くで見守ってきた田畑前投手コーチ(スコアラーに配置転換)は持ち球として持っていても、すぐに使えるとはかぎらないという投手の繊細な事情も明かしてくれた。

 「スプリットはリリースポイントが安定しないと使うのが難しい球種。そして、リリースポイントは『心・技・体』がそろわないと一定にならない。日本に移籍してきたばかりで環境が変わったから、という理由もあるだろうね」

 満を持して解禁されたスプリット。剛球だけでなく、メジャーの強打者も手を焼いた“ウイニングショット”が加われば打者にとっては脅威が増すのは間違いない。今後はさらにパワーアップした守護神の投球が見られそうだ。(伊藤昇)

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