2017.7.1 13:21

【球界ここだけの話(953)】鷹・東浜、勝たなければならない投手へ 工藤監督の期待は信頼に変化

【球界ここだけの話(953)】

鷹・東浜、勝たなければならない投手へ 工藤監督の期待は信頼に変化

ソフトバンク・東浜巨

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 成長なのか、立場が人を変えるのか、両方あるのだろう。ソフトバンクの東浜巨投手の変化を、敗れた試合後の振る舞いに感じた。6月30日の楽天戦(Koboパーク)。四回以降は無安打に抑えたが、三回までの2本塁打が響いて敗戦投手になった。一回にゼラス・ウィーラー内野手に浴びた先制3ランは、得意球のシンカーでしつこく内角を攻めたが、粘られて9球目。やや甘くなった球を運ばれた。

 「失投を逃してもらえなかった。その2本で負けました」

 ここまでは昨季と同じ。後に続いたコメントは別人に見えた。

 「逃げたくなかったし、勝負にいって打たれたことは後悔していません。内角を攻めた結果、投げきれなかったことが悔しいです」

 言葉そのものの力強さ、堂々とした話し方、冷静な振り返り。すべてに先発の柱としての風格が漂った。「強気に攻めた姿は後に続く投手につながるのではないか」と問われると「そうですね。逃げていても抑えられない」と即答した。1軍に定着したばかりの1年前は「1球1球、1人1人」の積み重ね。いまも同じなのだろうが、登板前後の思いは明らかに変わった。

 「自分の中で、うまく整理できるようにはなりました。しっかり次に向かえるようになったと思います」

 ソフトバンクといえば、和田毅投手、武田翔太投手、千賀滉大投手の3本柱。あるいは、リック・バンデンハーク投手を加えて4本柱。そういう表現をしてきた。彼らが次々と離脱して現在の位置にいるチームを支えているのは7勝3敗の東浜だ。勝ってくれたらありがたい投手から、勝たなければならない投手へ。成長したことで立場が変わり、立場が変わって成長していることを本人も自覚していた。

 「それもある。その通りじゃないですか。求めるものも、求められるものも高くなっている」

 右腕に対する工藤公康監督の目も変わった。敗戦後に「いままで頑張ってきた。こういう日もある」と笑顔。「彼のポテンシャルならもっとできる」と尻をたたいてきた秘蔵っ子への期待は、信頼に変わった。

 頼もしい投手が次々と生まれるソフトバンクは強い。それを少ないチャンスで攻略してしまった楽天。シーズンの折り返し地点とはいえ、立派な首位攻防戦だ。2チームがパ・リーグの先頭を走っていることに改めて納得した。(安藤理)

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