2017.5.16 13:00

【球界ここだけの話(907)】巨人・菅野が達成できなった4試合連続完封 52年前にマークした“エースのジョー”が語る成功の秘訣

【球界ここだけの話(907)】

巨人・菅野が達成できなった4試合連続完封 52年前にマークした“エースのジョー”が語る成功の秘訣

52年前に4試合連続完封を達成した城之内邦雄氏

52年前に4試合連続完封を達成した城之内邦雄氏【拡大】

 5月9日の東京ドーム。永遠のライバルである阪神を迎えた伝統の一戦で、巨人・菅野智之投手(27)が52年ぶりの大記録を達成することはなかった。1965年、当時25歳だった巨人の“エースのジョー”こと城之内邦雄氏(77)が達成して以来1度もない4試合連続完封。一回に糸井に右前適時打を浴び、「(意識は)ないわけないです」と話した菅野の記録への挑戦が終わった。

 それでも、3試合連続完封はセ・リーグでは巨人・斎藤雅樹(52、現2軍監督)以来、28年ぶりの快挙。スコアボードに0を刻み続ける姿は、他球団のファンをも魅了しただろう。城之内氏は「俺と違って、センス抜群。入団当時からずっといい」とかわいい後輩の活躍に目を細めた。

 そんな城之内氏は一体、どうやって4試合連続完封を成し遂げたのだろう。当時の話を尋ねると、意外にも「記録は意識していなかった。あまり覚えていないんだ」という答えが返ってきた。プロ4年目で、この年は40試合に先発。21勝12敗で完投が13、完封が6。中3、4日のハイペースで投げまくっていたが、「完封はあくまで『一球入魂』の積み重ねの結果だった」と笑う。

 登板間隔が短くても投げられたのは、下半身を強くしたおかげだったと城之内氏は振り返った。「雨の日以外は毎日全力で走っていた。外野のポールからポールまでを1時間とか、坂道ダッシュをへとへとになるまでやったり。それを毎日ね」。もともと、50メートル5秒9の快足の持ち主。ダッシュを重ねることで足腰を強くした。

 「当時は上半身が4、下半身が6くらいの意識。でも今の投手は上半身が7、下半身が3くらいのイメージでしょう。上半身を強くしようという意識が強いように思う。もっと全力で走って下半身を強化してもいいのでは。そうすれば球持ちがよく、下半身で粘れる投球ができるようになる」。現代のマウンドに上がる後輩たちに、そうメッセージを送る。

 さぞかし、つらいトレーニングの日々だったのでは、と水を向けると、「いやいや、全然つらくはなかった」とかわされた。「僕は短距離を走るのが得意だったから。得意な練習はどんどんできる。だから体もどんどん強くなる。一番いいのは得意なことを続けることだよ」とうなずいた。

 努力とは、とかく苦労の上にあると思いがちだ。歯を食いしばり、嫌なことにも立ち向かっていく-。それが日本人の“美学”のようにも思える。だが、楽しみながら行うからこそ見える地平もある。それは野球に限らずどんなことでも同じなのかもしれない。(伊藤昇)

  • 9日の阪神戦。巨人・菅野は一回、糸井に右前適時打を浴び、4試合連続完封の可能性がたたれた
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