2017.4.18 13:00

【球界ここだけの話(879)】ヤクルトの2007年D1・増渕さんの今 ハンカチ世代の右腕は野球の底辺拡大に奮闘

【球界ここだけの話(879)】

ヤクルトの2007年D1・増渕さんの今 ハンカチ世代の右腕は野球の底辺拡大に奮闘

昨年12月、増渕さん(中央)はヤクルトの雄平(右)と石山と野球教室を行った

昨年12月、増渕さん(中央)はヤクルトの雄平(右)と石山と野球教室を行った【拡大】

 先日、元ヤクルト投手の増渕竜義さん(28)から電話をもらった。出身地に近い埼玉県上尾市に、野球教室で使用する室内練習場が完成したという連絡。「(ヤクルトの2軍施設がある)戸田の室内練習場に似ていますよ」と笑う声には、充実感が漂った。

 米大リーグ、ヤンキースの田中、巨人・坂本、日本ハム・斎藤らと同じ1988年度生まれ。埼玉県の公立の鷲宮高から2007年ドラフト1位でヤクルトに入団し、1年目から開幕ローテーションに入るなど期待は大きかった。

 10年には中継ぎとして57試合に登板、先発に再転向した11年には7勝を挙げたものの、14年には日本ハムにトレード移籍し、翌年に引退。通算157試合で15勝26敗、防御率4・36だった。

 引退後は自分を模索する日々が続いたという。知人の焼き肉店を手伝いながら、何がしたいのかを探した。気付いたのは「野球が好き」という原点だった。周囲の協力を得て株式会社King Effectを設立し、小中学生への野球教室や個人レッスンを行っている。

 「せっかく野球をやって、プロの世界も経験できた。これからプロを目指す子供たちに夢を与えられたらと思って、今の仕事を始めました。いつかスクールを卒業した生徒が、プロ野球選手になるのが夢ですね」

 指導方針は練習を強制するのではなく、自主性を養うこと。「押しつけるだけでは、野球を嫌いになってしまう。昔と今は違う。野球人口が減る中で、野球を楽しんでもらうことが大事だと思っています」。野球の底辺拡大が、自分を育ててくれた野球への恩返しだと感じている。

 「共同事業をやってくれているのが旅行会社なので、ゆくゆくは神宮球場へのツアーなんかができればうれしいですね」と増渕さん。夢はつながり、広がる。(長崎右)

  • 2012年、増渕さんは同学年の前田(中央、当時は広島)の結婚披露宴に出席し、記念撮影。右は由規
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