2016.10.13 13:00

【球界ここだけの話(693)】楽天・栗原が引退…実直なスラッガーの第2の野球人生を応援したい

【球界ここだけの話(693)】

楽天・栗原が引退…実直なスラッガーの第2の野球人生を応援したい

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サンスポ記者の球界ここだけの話
移籍・退団・引退
広島・栗原

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 意外な言葉だった。

 「今はすっきりとした、やりきった気持ちです」

 楽天・栗原健太内野手(34)が現役引退を決めた。2015年オフ、広島に自由契約を申し出て、楽天にテスト入団。今季は1軍でのプレーはかなわなかった。

 17年間の現役生活で通算1082安打、153本塁打、586打点を記録。12、14年に右肘の手術を受け、思うような打撃ができなくなった。この3年間は1軍出場がなかった。

 チームメート、スタッフの誰からも愛される存在。実直で謙虚に試合、練習に取り組む姿勢は周囲から敬意を集めた。そんな栗原は「野球の神様を信じている」という。その思いの根底は、どんなものなのだろう。

 「僕は試合に出ているときに絶対言うんです。心の中で『ここに立てることに感謝します』と。やっぱり、人間だからイライラしたり、悪口を言いたくなるときは、僕だってありますよ。だけど、誰かがどうした、とかそういうのは関係ない。結局は、自分なんだから。そこで言い訳したって駄目だし、そういうのは嫌なんです」

 己と向き合い続けることで、野球の技術も人間としての内面も磨いた。

 「常に感謝の気持ちを持ち続けることができたら“変わらない自分”でいられるはずなんです」

 成績を残せば、横柄になったり、おごる気持ちが出たりする選手もいる。栗原もそういう気持ちが、分からないでもない。それでも“自分はまだまだ”と思い続けること、何より飽くなき向上心で、バットを振り続けた。

 「引退したら? 焼き肉店でも、しようかな」

 数年前、ふと引退後の人生について話題になった。そんなとき、冗談半分、本気半分、屈託のない笑顔でそう答えた。山形・天童市の実家では、女手一つで育ててくれた順子さん(63)が焼き肉店「マルタイ」を営んでいる。

 山形牛と、順子さんオリジナル、息子さえレシピを知らないという“秘伝のタレ”のおいしさは有名だ。

 卓越した打撃理論と人間性を評価され、おそらく指導者としてのオファーがあるだろう。未来のスラッガーを育てるべく、自分の培ったすべてを選手に注ぐはずだ。念願(?)の焼き肉店開業はもう少し先になりそうだが、栗原が歩む第2の野球人生を応援したい。(山田結軌)

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