大ファウルを左翼ポール上に放った直後だった。新井がソフトバンク・寺原の147キロを弾き返すと、打球は高々と舞い上がり左翼に張られたネット中腹に着弾した。壁がなければ場外という推定130メートル弾をかっ飛ばした。
「150キロ近い真っすぐをしっかり打ち返せたのはよかったですね」
代名詞のバット投げは行わず、左手に握ったままウエスタン3号の放物線を見届けた。ベンチ前で満面の笑みの掛布2軍監督から「かっこつけてんじゃねえ! このやろう!」と手荒い!? 祝福も。敗戦ムード濃厚の中、長距離砲の一発でムードを一変させた。
ソロを含む3安打1打点。打席では左足に極端に体重をかけ体を投手方向に傾けて「肩が開かないように意識づけですね」というルーティンも奏功し、1軍再昇格へ万全の状態を整えつつある。
掛布2軍監督は「球の見逃し方や、アプローチの仕方が柔らかくなっているよ。ちょうど前に1軍に上がるときのような、いい状態になっている」と声を弾ませ、新井も「この状態を維持して、いつ呼ばれてもいいようにやっていきます」と力を込めた。広島の兄・貴浩も絶好調だが、虎の弟も神ってきた。 (新里公章)