2016.7.10 13:00

【球界ここだけの話(598)】首位を独走するカープの打撃コーチは竜の内野手にも慕われていた

【球界ここだけの話(598)】

首位を独走するカープの打撃コーチは竜の内野手にも慕われていた

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
広島・東出打撃コーチ

広島・東出打撃コーチ【拡大】

 6日の石川県立野球場の試合前練習を終えた中日・亀沢恭平内野手(27)が、そわそわしていた。広島の練習が始まると、ティー打撃を手伝う“ある人”に向かってダッシュし、頭を下げた。昨年に現役を引退した広島・東出輝裕打撃コーチ(35)だ。

 「育成のときに、目をかけてもらっていたんです。自分と同じぐらいの背の高さ(亀沢が1メートル74で東出は1メートル71)で、プレースタイルも似ている。“足キャラ”な感じもね。下(2軍)のときは、ちょっとしたアドバイスでよくなったりもしたので」

 2014年オフに中日入りした亀沢だが、それまではソフトバンクの育成選手だった。支配下登録を目指して、がむしゃらに汗をかいていたところで、けがもあって広島の2軍で再起を図っていた東出と出会った。

 「お前はいい選手。絶対、どこかが取るから」

 育成期間の3年目が終わろうとするころ、そんな言葉をかけてもらった。同じチームになることはなかったが、最終的にドラゴンズが支配下登録選手として獲得した。

 東出は1999年のドラフト1位で広島入り。金本、新井がカープを去ったあと、厳しくも愛情を込めた言動で若手を引っ張り、精神的支柱としてチームを支えた。そんなリーダーシップあふれる男の言葉が、鷹の育成選手の心の支えになっていた。あいさつを済ませると亀沢は、パンパンに気合を入れていた。

 「東出さんともあいさつできたし、絶対打てる気がする!」

 その日の3打席目、同点の六回。マウンドには日米通算200勝を狙う黒田。ボテボテの一ゴロだったが懸命に走ってカバーに入る黒田に競り勝ち、内野安打。それを起点に竜が勝ち越し、勝利をモノにした。

 カープとしては複雑であろうが、東出を現役時代に取材していた記者としては、きっと陰で「ヨシッ!」と喜んでいたのではないか…と思う。(長谷川稔)

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