2015.12.31 13:00

【球界ここだけの話(406)】超一流アスリートの努力!『夢』で終わらない人たち

【球界ここだけの話(406)】

超一流アスリートの努力!『夢』で終わらない人たち

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
田中は夢先生として三郷市立前谷小の教壇に立ち、児童に「夢を諦めるな」と語りかけた(撮影・小倉元司)

田中は夢先生として三郷市立前谷小の教壇に立ち、児童に「夢を諦めるな」と語りかけた(撮影・小倉元司)【拡大】

 日本時間で大みそかを迎えた。津軽海峡は冬景色なのか。個人的に大ファンの国民的歌手、石川さゆりさんをこの日は特に意識する。

 だから、なんだ…という2015年の千秋楽。振り返れば取材現場で、さまざまな場面に遭遇した。感動し、鬼の目にも涙…はしばしばだったが、まさか小学生に泣かされるとは“夢”にも思わなかった。

 12月11日、埼玉県内の小学校で、京大卒のロッテ・田中英祐投手(23)が「夢先生」として1日教師を務めた。これは日本サッカー協会(JFA)が子供たちの夢を育む「こころのプロジェクト」の一環で、今オフから日本プロ野球選手会が協力。現役選手の先生第1弾として、同球団からは同投手が指名された。

 そこでの出来事。同投手が教壇に立ち、小学5年の1クラスを対象に自身の経験談を語り、逆に児童へは自身の夢を披露させた。それぞれの児童がすばらしい所信表明。同投手も「みんな、偉いなぁ…ビックリするわ」と驚いたが、中でも記者が感銘したのは1人の女児だった。

 ご実家はレストランらしく、彼女の夢も料理人。「いつかは、お父さんが作るよりもおいしいハンバーグを作りたい。そのためには、お父さんに教わりたい」と-。

 これは効いた。力石徹のアッパーより、山中慎介の左よりも強烈だった(分かるヒトには分かる)。まさに秒殺でウルウル状態となった。

 2015年、ラグビー・ワールドカップで大ブレークした日本代表。主将を務めたリーチ・マイケル(27)は、自身の講演先で「夢を持つことは大事。それをあるとき『目標』に置き換えることは、もっと大事なことだ」と力説した。

 同感だ。そして記者にいわせれば、小学5年生、年齢で10歳か11歳の彼女は、すでにこの域に達していた。

 30年におよぶ記者生活。前にも同コラムに記したが、天文学的な記録を残した選手、記憶に残る活躍で“レジェンド”と呼ばれた選手ほど「夢」は語らない。異口同音ではあるが、皆が「明確な目標」という。

 努力なくして前進なし。そして、夢は見るものではなく“かなえるもの”。これを超一流アスリートの共通認識として、2016年への『メッセージ』としたい。

(プロ野球遊軍 西村浩一)