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【出動!特命記者】プロ野球審判員の世界・前編「卍の敷田」

特集:
そこが知りたい 出動!特命記者
西本欣司

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 「審判長や技術委員が『そろそろ自分のジャッジを考えてもいい』と伝えます。基本ができていなければ、絶対にオリジナルをやっては駄目。許可をもらって、初めてできるのです」

 通常、プロの審判員になってから約3年間は、ストライクでは右腕を挙げるだけの基本形を徹底的に体に染みこませる。そして一人前のお墨付きを得た審判員だけが、独自のポーズを許される。

 56人の審判員のうち、まだ約10人が認められていない。毎年2月の春季キャンプ中に、試験を兼ねた「お披露目会」が開かれる。選手同様、審判員にとってもキャンプは開幕前の重要なトレーニング期間だ。そこで、オリジナルのジェスチャー開発を許された審判員が、先輩たちの前で新ポーズを披露する。派手さだけで合格とはいかず、重要なのは分かりやすさと、オリジナリティー。

 「正しいジャッジをしながらも、プロとしてお客さんにアピールし、仲間にアピールし、選手にもアピールする。誰のまねでもないオリジナリティーが大事。若い人もみんな(卍ポーズを)まねするようになった」と井野技術委員長。いまや「敷田の卍」は、審判員を目指す若者の憧れにもなっている。

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