日本ハムは、内野手補強を最優先に考えた。今オフ、正二塁手だった田中がフリーエージェント権を行使して米大リーグ、ジャイアンツとマイナー契約。遊撃手の金子誠は故障を抱える。昨季は二遊間に若手を起用したものの、経験豊富な大引に目をつけた。
一方で陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)、中田と「日本一の外野陣」の一角を形成し、WBC日本代表でもレギュラー入りが確実な糸井を放出。糸井は契約更改交渉の席で、来オフにもポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャーに挑戦する意向を伝えていた。
そこに、球団のしたたかなそろばん勘定がうかがえる。落札額高騰を抑制するため、来オフからポスティングは方法が変更になる。糸井に海外移籍を認めても、今季支払う2億円前後の年俸に見合う落札金が手に入らない恐れがある。一方で、昨季は優勝したにもかかわらず、観客動員が前年比6・6%減の約185万人にとどまった。球団には総年俸を抑制したい思惑もあったはずだ。
関係者によれば、契約交渉が難航していた糸井側に対し、球団は年明けに1割以上もの年俸上乗せを提示した。オリックスとのトレードが水面下で合意したため、早期の契約を迫ったのだろう。今回のトレードの結果、日本ハムの今季年俸総額は25億円を割り込んでリーグ3位(1位はソフトバンク)となり、オリックスが2位に上がった。 (遊軍・吉村大佑)
(紙面から)