岩手出身の銀次は契約更改交渉で、東北各県での主催試合増を訴えた (撮影・広岡浩二)【拡大】
来季の年俸は今季の3倍を超えた。だが銀次には、契約よりも大切なことがあった。東北各県での主催試合を増やしてほしいと熱く訴えた。
「(東日本大震災は)一生忘れてはいけないこと。自分らが(支援を)ずっとやっていきたい。東北でもっともっとプロ野球を見せたい」
三陸沿岸の岩手・普代村出身。被災地への思いは人一倍強く、熱い“東北魂”は誰にも負けない。震災と支援の思いを風化させてはいけないという自負がある。
楽天は今季、本拠地Kスタ宮城以外に「東北シリーズ」で岩手・盛岡市、福島・郡山市、秋田市で3試合を開催した。7月31日、盛岡でのソフトバンク戦は、一回の自身の打席の途中で降雨コールドゲーム。「岩手では試合が流れたし、各地で1試合は少なすぎる。最低でも2試合はやりたいです」。契約交渉の席で施設や環境改善などを求める選手は多い。だが被災地への思いを訴えた銀次の交渉は異例だ。
7年目で初めて規定打席に到達し、チームトップの打率・280を記録。それでも24歳は「打率3割で初めてプロ野球選手といえる。納得していない。来季は首位打者とゴールデングラブを取って、クライマックスシリーズに出て、優勝したい」と目標を高く掲げた。来季の本拠地以外の東北開催は4試合。目標達成へ努力する若武者の姿が、東北を勇気づける。 (広岡浩二)
(紙面から)