2012.12.8 05:04

燕・宮本先生、29失策の堂林に“伝守”(2/2ページ)

特集:
2012ドラフト会議
左手にはめたグラブを堂林(左)に差し出して説明する“宮本先生”(撮影・南雲郡)

左手にはめたグラブを堂林(左)に差し出して説明する“宮本先生”(撮影・南雲郡)【拡大】

 倍も年が離れた名手の言葉が、21歳の背筋をピーンと伸ばした。大阪市内のホテルで行われたミズノ社のスタッフ会議。グラブ・手袋分科会の席についた宮本は堂林を見つけると、歩み寄ってグラブを差し出した。

 ゴールデングラブ賞通算10度の名手は「ここを比べてみろ」と、堂林が使用するグラブとポケットの深さや位置の相違を指摘。高卒3年目の今季、2桁本塁打をマークする一方、両リーグワーストの29失策を犯した三塁手は、道具選びのアドバイスに何度もうなずいた。そして「自分のグラブは受球面が狭い。宮本さんのグラブは素手に近い感覚」と、すぐに同型のお取り寄せを決めた。

 宮本は返す刀で、新井貴(阪神)らにも鋭い突っ込み。荒木(中日)を「毎年、宮本さんのダメ出しだけは聞いておかないと」と大笑いさせた。

 大役を担う後輩の背中も押した。日本プロ野球選手会の新会長に就任した嶋(楽天)に「8年くらいは続けてプロ野球界をいい方向に導いてほしい」。自身は古田敦也氏(前ヤクルト)からバトンを受け、2005-08年にフリーエージェント権取得資格の見直しや、ドラフト問題などでリーダーシップを発揮した。嶋は「(前会長の)新井には新井の、嶋には嶋のやり方があるから自分らしくやれ、と言ってもらった」と感謝した。

 43歳のシーズンを迎える名手は、ヤクルトに戻ると兼任コーチとして若手を鍛え、毎年1月の自主トレには他球団の若手野手も受け入れる。今やチームを飛び越え、『球界の指南役』だ。 (佐藤春佳)

★来季は白バット

 宮本は来季からバットはメープルとアオダモの素材のものを併用する。今季までは黒色にグリップ部のみ白のデザインを使ってきたが、メープルのバットは白木の予定。「優勝した年も白木やったからね」と日本一になった2001年以来の縁起モノでV奪回を狙う。グラブは三塁手用に加え、遊撃手用も用意した。ミズノ担当者によると、三塁に固定された09年以降初めてで、「いつか来る現役の最後は遊撃手で終えたい」との思いがあるという。

(紙面から)