ヒーローの石井(中央)は、ナインから手荒い祝福を受けた。3連敗の後の2連勝でムードも最高潮だ(撮影・森本幸一)【拡大】
ここぞの一打は、こだわり抜いた打撃用手袋から生まれる。メーカー担当者から新品を渡されるたび、全て自分の手にはめて感触を確かめる。同じ製品とはいえ、手になじむかが最大のポイント。気に入らなければ新品でも突き返す。自身の名前の義人、妻・由美さん(34)、愛犬の「きのこ」と「たけのこ」の頭文字と背番号を取って「YYKT33」と刺繍(ししゅう)された手袋。打席でみつめることで落ち着ける。まさにミラクルを生む必勝アイテムだ。
サヨナラ勝利の舞台を整えたのは、ベンチで今か今かと出番を待っていた男たち。九回先頭で代打・矢野が岩瀬の初球を中前打。続く古城がバントを試み2度失敗するも、追い込まれてから執念の右前打で無死一、二塁とつないだ。代打・寺内は1球目をきっちり転がし、一死二、三塁とチャンスメーク。自らに課せられた仕事をそれぞれがきっちりこなしたことが、勝利につながった。
「しぶといというか、1打席のピンチヒッターですけど本当に素晴らしい。うちの選手もまだまだ見習う選手がいると思います」
原監督は、石井の一打を興奮気味に絶賛した。3連敗で崖っぷちに追い込まれた巨人だが、意地の2連勝で対戦成績は五分。22日の最終決戦は、引き分け以上で日本シリーズ進出が決まる。希望をつないだ巨人。もちろん勝って決める。 (高橋かずみ)
(紙面から)