(セ・リーグ、中日3−4巨人、10回戦、巨人8勝2敗、3日、ナゴヤドーム)高々と舞い上がった打球が、中日ファンが陣取る右翼スタンドに飛び込んだ。八回、勝ち越しの17号を放った巨人の小笠原は「どこを打ったのか覚えていないくらい集中した打席だった」と興奮気味に振り返った。
先頭で迎えた打席だった。相手投手はこの回からマウンドに上がった左横手投げの小林正。左打者を封じるのが役割の投手を見事に攻略した。1球目にきた外角寄りのスライダーはファウルだったが、ほぼ同じコースにきた2球目のスライダーをしっかりと引きつけてとらえた。
先発のゴンザレスが五回に1点を失い、続く六回にブランコに2ランを浴びて試合が振り出しに戻った。嫌なムードが漂いかけたところだった。自らが好機に凡退して敗れた試合では、周囲に「申し訳ない。おれのせいで負けた」と頭を下げるほど責任感の強い男が、ここぞの場面で勝負強さを発揮した。
主砲の一発で、リーグ3連覇へのライバルとなる中日との3連戦の初戦を制した。再び独走態勢に入ることを予感させる勝利となった。