(セ・リーグ、巨人4−1広島、12回戦、5勝5敗2分、2日、東京ドーム)初めて手にしたウイニングボールを、大きな手で包み込んだ。ドミニカ共和国生まれの3年目、巨人・オビスポが大仕事だ。プロ初先発で6回2/3を1失点と好投。夢にまで見た初勝利を飾った。
「すごいね。この日が来るのを信じてやってきた。最高にハッピーさ」
ローテーションの谷間で得た千載一遇のチャンスで、花を咲かせた。二回に栗原に先制弾を浴びたが、その後は最速154キロの速球を武器に再三のピンチを断ちきり、味方の援護を待った。
「先発の機会を与えられたことがうれしかった。アグレッシブに投げたのが良かったね」
07年に育成選手として契約。すぐに支配下選手登録されたが、飛躍を期した昨季は右肩痛のため再び育成選手に降格する屈辱を味わった。しかし、このまま終われなかった。野球を始めた7歳のとき、段ボールで作ったグラブをはめた記憶。故郷に残す家族…。絶対に成功したかった。
5年前に投手に転向し、小谷2軍投手コーチに磨かれた。山口、松本、隠善に続く育成出身がついに結果を出した。
「(先発の)選択肢が増えたのは巨人にとって明るい材料」と原監督。年俸480万円の24歳が、ジャパニーズ・ドリームの第一歩を踏み出した。(片倉尚文)
ウィルフィン・オビスポ(Wirfin Obispo)
1984年9月26日、ドミニカ共和国生まれ、24歳。2002年レッドソックス傘下・ドミニカアカデミーと契約。レッズを経て07年育成選手として巨人と契約し同年6月に支配下選手登録。08年1月に右肩痛のため再度育成選手として契約、同年7月に再び支配下選手登録された。今季成績は6試合に登板、1勝0敗0S、防御率2.53。通算成績は8試合に登板1勝0敗0S、防御率2.31(2日現在)。1メートル85、73キロ。右投げ右打ち。年俸480万円。背番号91。