ミラクルを演じた。サヨナラ負けという結末にも、みせた底力。決してあきらめない。鉄人の執念…。すさまじかった。
「このまま(負け試合を続け)ズルズルいくのか、歯止めにするのか。個人的には気合入ったよ、きょうは」
魂のこもったひと振りが、大反攻のノロシだった。高くあがった打球が、ロッテファンで白く染まった右翼席上段に突き刺さった。八回。二塁打で出た先頭の新井に続いて快音を飛ばした。カウント1−0からの2球目、小野の真ん中に入ったスライダーを完ぺきにとらえた。11号2ラン。この一撃が葛城の1号2ランも誘発して一挙4点。2点差に迫った。
なお、鉄人は食らいつく。続く九回には自ら突破口を開いた。荻野から左中間へ二塁打を放った。最高のチャンスメークで鳥谷の適時打と矢野の同点犠飛につなげたのだ。
絶望を希望に変えた。前日(14日)のアッチソンに続いて初先発の鶴が一回6失点の大炎上。二回で早くも7点ものビハインドを、土壇場で一時追いついた。六回、3点の反撃でも中犠飛で打点を稼いだ。執念の虎の中心に常に金本がいた。
「次につながるとかじゃなくて、こういう連敗中でどういうプレーをするか」
自らの姿勢を短い言葉で表した。決してあきらめない強い心を、結果で示した。金本の無言の喝に打線は機能した。昨年6月16日、同じロッテ戦で九回に9点を取って大逆転を演じた。その再現こそならなかったが、今季最多タイ16安打の猛追劇でセ首位の意地をみせつけたのだ。
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