2007年12月03日 更新

星野ジャパン

ジャパンの守護神はオレだ!無敗男・上原が韓国シャットアウト

上原が九回を3人でピシャリ。国際試合の無敗記録を22試合に伸ばした(撮影・浅野直哉)

上原が九回を3人でピシャリ。国際試合の無敗記録を22試合に伸ばした(撮影・浅野直哉)

 (北京五輪アジア予選決勝リーグ、韓国3−4日本、日本2勝、2日、台湾・台中)4時間2分の死闘を制した!! 日本が宿敵・韓国に4−3で逆転勝ち。通算2勝とし、正式競技となった1992年のバルセロナ大会から5大会連続の五輪出場に王手をかけた。九回は守護神・上原浩治投手(32)=巨人=が締めて国際大会22戦無敗。やはり最後はこの男だ。日本は3日の台湾戦に勝てば、北京五輪出場権を獲得する。

 鈍い打球音が響いた。その瞬間、早くも上原は両腕を夜空に突き上げ、歓喜のジャンプを繰り返した。

 「あ〜終わった。異様な雰囲気でした。でも、甲子園(の阪神戦)で慣れていることは大きい。(ガッツポーズは)興奮しました。シーズンとは別の戦いですから」

 負ければ、この大会での五輪出場権獲得が消える大事な一戦。出番は1点リードの九回に回ってきた。体が震えるようなプレッシャーも、ここまで国際大会21戦無敗の守護神には快感だ。先頭の張盛好を二飛、続く高永民を空振りの三振、最後は李宅根を一飛。わずか12球で締めた。

「大した男や」。星野監督(左)もジャパンの守護神を絶賛した(撮影・浅野直哉)

「大した男や」。星野監督(左)もジャパンの守護神を絶賛した(撮影・浅野直哉)

 韓国のしたたかな戦術で始まった決戦。試合前に交換した先発オーダーを急きょ差し替えた。投手が右の柳済国から左の田炳浩となったほか、打順も右投手用から左の成瀬攻略用に組み替えられ、変更がなかったのは3人だけ。右のダルビッシュ、川上か、左の成瀬か読み切れなかった末の策だった。

 「大きな会議(11月30日の監督会議)で紳士協定を結んでいたのに、なぜこうなるか疑問。出てきたメンバーが違った」。プレーボール直前、球審のもとへ確認に走った星野監督も声を荒らげた。厳密にはルール違反ではないが、メンバー提出は「プレーボールの1時間前」と監督会議で紳士協定を結んでいた。“違約”による奇襲。これが国際大会の洗礼だ。

 負けられない戦いがさらに熱くなる。星野監督から投手キャプテンに指名された上原は大会前、国際大会12勝無敗の経験をダルビッシュや成瀬に伝えた。2度の投手会で結束も固めた。

 「9番目の投手と10番目の投手の差はなんですか?」。主将の宮本に相談したときの言葉だ。投手は最終候補メンバーの14人が最後は9人に絞り込まれた。きずなを深めることに奔走してきた上原にとって、仲間の離脱は耐えられない現実。相談された宮本は「本戦(五輪)がある。そこで頑張ろうという気持ちにすることが大事」とアドバイスしたという。そんな中で韓国の奇襲作戦が展開された。怒声はあげない。ピッチングですべてを“無”にしてやる。気合をボールに込めて思いきり右腕を振った。

 「必ず勝てると信じていた。上原は大した男だよ」。星野監督も国際大会22戦無敗の守護神を絶賛した。

 上原がいる限り日本は負けない。3日の台湾戦もスタンバイ。不敗神話とともに五輪キップをその手につかむ。

上原浩治の国際大会成績
年 月 日 大 会 登板 相手
97・5・26 アジア野球選手権 先発 フィリピン
28 ○先発 韓  国 6 1/3
6・1 救援 韓  国 3 2/3
8・2 インターコンチネンタル杯 救援 スペイン
○完投 フランス
救援 キューバ 1 2/3
10 ○先発 キューバ 5 1/3
25 4カ国国際大会 先発 キューバ 6 1/3
30 ○完封 韓  国 10
98・6・6 4カ国国際大会 ○先発 韓  国
7・12 ハーレム国際大会 ○先発 オランダ
18 先発 米  国
22 IBAF世界選手権 ○完投 パナマ
26 ○先発 ドミニカ共和国 8 1/3 11
31 先発 韓  国 8 0/3 13
03・11・5 アジア野球選手権 ○先発 中  国 11
04・8・15 アテネ五輪 ○先発 イタリア
21 先発 台  湾
06・3・3 W B C ○先発 中  国
12 先発 米  国
18 ○先発 韓  国
07・12・2 アジア野球選手権 S救援 韓  国
22試合 12勝0敗 防御率1.96 123 2/3 95 132 21 27
【注】03&07年のアジア野球選手権は五輪予選を兼ねた大会。
上原は98年まで大体大。

■日本の五輪出場決定条件

 日本が3日の台湾戦に勝てば文句なしで五輪出場決定。台湾に敗れ、韓国が勝った場合には日本、台湾、韓国が2勝1敗で並ぶ。その場合には当該対戦間の〔1〕失点率(失点÷守備イニング)〔2〕自責点率〔3〕打率〔4〕出塁率〔5〕長打率−の順で決める。2日終了時点での3チームの当該間失点率は日本0.333、台湾0.556、韓国0.333。日本は台湾戦で先攻のため、九回終了で0−1か1−2の場合だけ出場となる。