2007年12月01日 更新
星野ジャパン時間との戦い…投球“12秒ルール”を攻略せよ!

北京五輪アジア地区最終予選に向け最終調整する星野ジャパン

和やかなムードで行われた監督会見でも星野監督(左端)のハートはメラメラ? (右から)台湾代表・郭泰源監督、韓国代表・金卿文監督、フィリピン代表・バラダス監督
北京五輪アジア予選(台湾・台中市=11月30日)時間との勝負! 日本代表・星野仙一監督(60)が、アジア予選決勝リーグ初戦・フィリピン戦を前に、市内のホテルで行われた監督会議に出席した。試合のスピードアップのため、投手が捕手から球を受け取って、投げるまでの時間が12秒以内と決められた。闘将は北京切符獲得へ「スピード野球」を掲げた。
(ペ ン・稲見誠、堀啓介、上野亮治 カメラ・浜坂達朗、浅野直哉)
◇
マウンドで屈伸運動をしてから、ロージンに手をやって、肩を回してから投げる…。日本でおなじみの光景が消える。監督会議を終えた闘将は、選手に高校野球の姿勢を求める考えを示した。
「投球に時間がかかれば、途中で審判から止められる。日本では足場をならすことがあるが、それもできない。心理が大きく違う」
星野監督は宿舎に戻って早速、“12秒ルール”徹底を投手陣に通達した。走者の有無にかかわらず、捕手から返球を受けてから、12秒以内に投げなければ、ボールを宣告される。
日本の野球規則でも12秒と定められているが、今大会では二塁塁審がストップウオッチを持って厳しく計測することもわかった。日本では、余程の遅延行為がない限り、融通のきく12秒だが、やはり国際大会では厳しく違反とみなされる。だからこそ、星野監督も細心の注意を払って、投手陣にスピードアップを言い渡した。
監督会議後に行われた決戦前日の練習開始前には、遊撃後方に選手を集め、円陣を組んだ24人の日の丸戦士に向かって、気合も注入した。
「今日みんなの名前を最終登録してきた。(渡辺)俊介、相川、高橋、3人は残念ながら外れた。みんなに託して(日本に)帰っていったんだから、その分(北京五輪の)切符を取って帰ろうと言った。伝わらないやつはおらんよ」
最後にメンバーから外れた渡辺(ロッテ)、高橋(巨人)、相川(横浜)の分まで…。「3人とも頑張ってくださいと言うとった。アイツらのためにも…。勝つしかない」。決戦を前に闘将が熱くなった。星野ジャパンが時間との戦いも制して、3連勝する。
★先発濃厚・川上は淡々と調整
第1戦先発が濃厚なのは川上(中日)だ。ブルペンには入らず、ランニングなどで調整すると「仕上げ? 特に、これということはないです。タイかなと思っていましたけど。特に、なにもないです」と淡々と話した。大野投手コーチは「勢いをつけるためにも初戦は大事。自信を持って送り出す」と期待した。
★主将・宮本、結束に自信
練習終了後、選手宿舎で選手だけのミーティングを開いた。主将の宮本(ヤクルト)は「やるしかない。緊張感は前からずっと持ってやってきた」と結束に自信をのぞかせた。メンバーから外れた高橋(巨人)らについて「一緒にユニホームを着て練習した仲間。みんなの思いを背負って戦う」と熱い思いを激白していた。
★上原ブルペンで47球「勝たないと意味ない」
投手キャプテンの上原(巨人)が悲壮な決意を口にした。この日はブルペンでフォークを交えて47球を投げて最終調整を行った。国際大会12勝無敗と経験豊富な星野ジャパンの守護神は、「明日からやるだけ。内容はどうでもいい。内容よりも勝たないと全く意味がない」と3連勝での五輪切符獲得を目指す。
★メンバー外れた高橋らが帰国
最終登録メンバーから外れた高橋(巨人)と相川(横浜)が帰国した。台中の選手宿舎ロビーで主将の宮本(ヤクルト)らの見送りを受けた高橋は「ともに戦う」の意思表示のように代表専用のスーツを着て、チームを離れた。相川は6日に横浜市内の病院で右肩の手術を行うことを明らかにし、「これからは治療に専念します」と語った。渡辺(ロッテ)は1日に帰国する。
★延長は勝敗が決するまで
監督会議では、決勝リーグで適用する試合規定を確認した。国際野球連盟(IBAF)の規定に準じ、延長戦は勝敗が決するまで行われ、七回終了時で10点以上の差がつけばコールドゲームとなる。またIBAFから試合のスピードアップを要望され、投手が捕手から球を受け取って、投げるまでの時間が12秒以内と決められた。
★闘将マイクで先制
監督会議後の会見は“無風”に終わった。韓国・金卿文監督、台湾・郭泰源監督、フィリピン・バラダス監督の3人と壇上に並んだ闘将は最初にマイクを持ってあいさつした。「日本の野球を十二分に台湾のファンにお見せする決意です。北京切符を獲って帰ります」と語り、最後は「謝謝」と締めくくって会見場は大爆笑。しかし発言機会は一度だけ。「オレの前にマイクが多かったんで質問が来るかと思ったけどね」と拍子抜けの様子だった。
◆台湾・郭泰源監督
「皆さん、いろいろおっしゃりますが、われわれはそんな簡単に負けない。結果を楽しみに」
★フィリピン・バラダス監督「ベストを尽くす」
1次リーグで安定感のある守備力を武器に勝ち上がった。バラダス監督は「日本にはいい投手と打者がたくさんいる。現時点ではアジアで一番強いと思う」と素直に実力差を認めながらも「野球は何が起こるか分からない。少しでも点を取れるようベストを尽くす」と気後れする様子はなかった。
■フィリピン
1次リーグは3試合中2試合が完封勝ち。30イニングで1失点と安定感がある。2枚看板のロブレス、ダーウィンからチャーリーへの継投で逃げ切るパターンに持ち込みたいところ。打線は非力だが、4番のビリジリオが中心。日本が負けるような戦力ではないが、1次リーグ突破が有力視されたタイを上回ったチームの「勢い」には要注意だ。









◆韓国・金卿文監督
「わがチームは過去、台湾に2度負けている。今回は全力で雪辱を果たしにいく」