|
2006.03.21 更新 有終Vへあと“イチ”!「3番・イチロー」熱い思い胸にいざ決戦![]() 最終決戦に臨むイチローは笑顔。誇り高き王ジャパンの一員として有終の美を飾る=AP 【米カリフォルニア州サンディエゴ19日(日本時間20日)=大沢謙一郎】イチロー外野手(32)は韓国戦に続いて決勝キューバ戦も3番でスタメン出場する。最終決戦を前に「このチームでメジャーを戦いたい」と語るとともに、王貞治監督(65)に対する熱い思いでチームの一体感を強調した。また96年のアトランタ五輪決勝で金メダルを阻まれた4番・松中信彦内野手(32)は、因縁の相手キューバにリベンジを誓った。 ◇ 思わず本音が口をついた。泣いても笑ってもあと1試合。キャプテンの肩書こそないが、精神的支柱として1カ月間、チームを引っ張ったイチローは決戦前日、“かなわぬ夢”を口にした。 「できればこのチームでメジャーでやりたい。そのぐらいのチームですね」 手放したくないほどの一体感。この日もいつものように一番最初にグラウンドに出て、ストレッチを行った。王監督は「3、4番は動かさない」とイチローの3番起用を明言。改めてポイントゲッターに指名した。 あこがれ続けてきたメジャーリーガーと国の威信をかけて争う。日の丸を背負ったイチローはWBCで感情を隠さず言葉に、態度に出した。自ら決起集会を開くなどリーダーシップも発揮した。孤高の天才、個人主義者のイメージを変えた。 王ジャパンの一員になることで、一歩上のステージにも進んだ。米アリゾナ合宿で、悩みを世界の王にぶつけた。 イチロー 「打撃が簡単なものだと思ったことはありますか」 王監督 「そんな時期は一度もなかったよ」 04年には262安打のメジャー年間最多安打記録を打ち立てた。しかし、いまも最高の打撃を求めて打席に立つが、答えはみつからない。 「(打撃は)つかんだと思っても、すぐにどっかに消えちゃうもの。それは辞めるまで続くものだ」と王監督。「その言葉に勇気づけられました」。イチローは世界の本塁打王の胸のうちに触れ、また進化した。 メジャーリーガーが初めて参加して争う世界一決定戦。その決勝に残ったのは米国人でも、韓国人でも、ドミニカ出身でもない、イチローと大塚の日本人メジャーリーガー2人だった。 「ボクら2人が残ったということに誇りを感じています。でも、MLBにとってはちょっと痛いかもしれませんけどね」と最後はジョークで締めた。心身ともに充実した天才打者が、母国を世界の頂へと導く。 ■WBCはプロ世界一の大会にこの日の公式会見では国際大会での野球のあり方をイチローなりに提言した。「五輪はアマの世界一を争う大会であってほしい。WBCがプロ世界一を争う大会になればいい」との私見を披露。また今大会で韓国メディアが過激に報じたイチローの“30年発言”と韓国ファンのブーイングには「ブーイングはウエルカム。ボクのコメントでいろいろあったようですが、解釈はいろいろ。それはそれでいいんじゃないでしょうか」と弁明しなかった。 ★松中がキューバを警戒「えげつないこともやってくる」決勝を前に松中の表情が一層厳しくなった。アトランタ、シドニー両五輪を経験している主砲は、キューバの強さを知っているからだ。 「勝つためには、えげつないこともやってくる。国対国では当然かもしれないが、日本もしっかり準備をして厳しいプレーをする必要がある」 五輪で実際に戦っているだけに言葉に重みがある。チームメートに警戒を促したのはキューバの“ケンカ野球”。併殺時や本塁突入時のスライディングは激しく、油断しているとけがをさせられる危険性もあるという。 決してキューバを恐れているわけではない。「個人的にはワクワクしています。強いキューバと戦うことで成長できた自分がプロになって頂点を争えるわけですから」と松中。キューバ投手陣攻略のカギを日本代表の主砲である自分が握っていることは自覚している。 左足に死球を受けた影響で全力疾走できる状態ではないが、WBC通算8得点は1位タイ。「横綱相撲ではなく、日本らしい野球で対抗したい。勝つためにチャンスを作りたい」。世界一をつかむため、状況に応じてチャンスメーカーにもなる決意だ。 (田代学) ★岩村が出場を直訴準決勝の韓国戦を欠場した岩村が練習後、王監督に出場を直訴。2次リーグの韓国戦(15日)で二塁から本塁へ突入する際、右太もも裏側を痛めた。この日は故障後初めて三塁でノックを受け、打撃練習も行った。「まだ100%ではないが、自分のプレーはできる。最後には笑えるようにしたい」と出場をアピールしていた。 ★日本予想スタメンのコメント
★上原、しっかり応援韓国戦で松坂の応援を受けて、7回3安打無失点と好投。日本を決勝へ導いた上原は、味方を信じてベンチから見守る。「泣いても笑っても明日が最後。今度は応援する立場なので、しっかりと応援したい。マウンドで王監督を胴上げできたらいいですね」と、世界一をチームメートに託した。 ◆日本サッカー協会・川淵キャプテン「韓国に勝ったのは、飛び上がるくらいうれしかった。キューバとの決勝では日本らしさを発揮してほしい。松坂は、米国のスカウトも見に来るだろうし、自分を売り込むためにも力を出してほしい。王さんとイチローの喜ぶ顔が見たい」 ★一塁審判に誤審男誤審男ことボブ・デービッドソン審判は決勝で一塁審判を務めることになった。日本にとっては不安材料だが、考えようによっては米国戦の誤審から日本代表の闘志に火がついたのも事実。「ちゃんとやってくれればそれでいい」とは王監督。誤審が入り込むスキのない完勝でデービッドソン審判も“完封”する。 ![]() |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆1番・福留
「厳しい試合になると思いますが、このメンバーでやるのも最後。精いっぱい頑張りたい」
◆2番・西岡
「(1、2次リーグで)韓国には負けたけど、最終的に勝てば世界一と認めてもらえる」
◆3番・イチロー
「この時点まできたら、(チームに)もう何もいうことはないです」
◆4番・松中
「日本でも盛り上がっているみたいなので、そのパワーをいただいて、キューバは強豪だけど、精いっぱい日本の野球をやって必ず勝ちたい」
◆5番・多村
「(バント失敗が多く)シーズン中やったことないでは済まされない。日本ではバント練習をしなかったけど、これからはやる。きっちり(走者を)送れるようにしたい」
◆6番・小笠原
「厳しい戦いになると思うが、応援してくれている人のためにも頑張りたい。アテネではキューバには勝ったけど、銅メダルで悔しい思いをした。世界一になりたい」
◆7番・今江
「準決勝の韓国戦は勝ったけど、2次リーグの韓国戦でチームに迷惑をかけている。どんな形でもいいから勝利に貢献したい」
◆8番・里崎
「その日の一番いい球で勝負する。あとは打席での雰囲気を感じ取りたい。打っても目立ちたい」
◆9番・川崎
「インターコンチネンタル大会のときにキューバと対戦しています。セーフティーバントが通用したのでやってみようかなと思っています」