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王監督が必勝リレー予告!松坂→渡辺→大塚でキューバ封じだ

松坂

世界一を賭けたマウンドに登る松坂。150キロ超の剛球に続き、2番手はサブマリン渡辺が変幻自在。キューバ打線を手玉に取る=撮影・原田史郎

米カリフォルニア州サンディエゴ19日(日本時間20日)=湯浅大】WBC初代王座をかけて20日(日本時間21日)、強豪キューバと激突する日本・王貞治監督(65)が、必勝リレーを明かした。松坂大輔投手(25)=西武=に続き、2番手で渡辺俊介投手(29)=ロッテ=を起用して緩急で幻惑。最後は守護神・大塚晶則投手(34)=レンジャース=で最強打線を封じる。もちろん最大のカギは先発の松坂で、04年アテネ五輪で日本五輪史上初めてキューバから白星を挙げた剛腕。日本国民の期待を背に、決戦のマウンドに立つ。

誰も寄せつけない張り詰めた空気。練習を終えた松坂は、厳しい表情でグラウンドに一礼し、静かにベンチ裏へと消えていった。刻々と近づく運命のプレーボール。すでに怪物の闘争本能には火がついていた。

公式会見も出席を断った。いつもならファンのサインにも快く応じる男だが、この日ばかりは帰りのバスに乗り込む際に日本人ファンから声援を送られても、視線が動かない。それほど目の前の敵に集中していた。

「ウチとしては松坂が本格派だから、(2番手の)渡辺が幻惑してくれたらいいね。松坂、渡辺、大塚の3人で終われたらベストだよ」

これぞ王監督が漏らした初代世界王座への青写真。勝利へのキーワードは“幻惑”だった。

王監督

必勝リレーを明かした王監督。表情はリラックス=撮影・原田史郎

松坂は150キロ超の速球とスライダー、カットボールが武器。序盤から中盤は、松坂の剛球で相手の目を速球系に慣れさせて、次にサブマリン渡辺。独特の下手投げから“逆MAX”ではカーブ90キロという遅球を駆使する。松坂との緩急の差は球速にして60キロ。キューバ打線を幻惑し、そして、最後は守護神・大塚が締めくくる。

松坂にとっては因縁の相手キューバ。04年アテネ五輪1次リーグで対決。四回に3番・グリエルのライナーが右腕を直撃したが、一度はベンチに戻り、応急処置を受けて投げ続けた。九回途中で降板したが、日本のキューバ戦五輪初白星となる勝利を演出した。

そのグリエルは今大会もチームの主軸。18日のキューバ−ドミニカ共和国をテレビ観戦していた松坂は「グリエルって、いい選手なんすよ。みんなうまいですよね」と力を認めた。野球王国キューバには“同じ相手に2度、負けない”という鉄の掟(おきて)が存在する。今大会でも黒星を喫したプエルトリコ、ドミニカを2度目の対戦でたたきのめした。当然、松坂にも牙を剥く。

「(キューバは)大味な印象はあるけど、ボク自身は違う。細かくつないで、接戦になると非常に強い印象。盗塁やセーフティーバントも多いですよね。五輪の時とイメージは変わらない」

松坂も受けて立つ。日本代表チームの関係者はすでに優勝時のシャンパン・ファイトの準備も手配している。命運は怪物の右腕に託された。日本スポーツ史の1ページにサンディエゴの歓喜、松坂の快投が新たに書き加えられようとしている。

★渡辺は6年越し雪辱誓う

サブマリン渡辺が松坂に続く2番手に指名された。00年シドニー五輪予選リーグでもキューバ戦に2番手で登板。4番のキンデランに3ランを浴びて敗れた苦い経験があるが「あのときとはボク自身も違うし、相手のイメージも変わってきている」。6年越しのリベンジに自信をのぞかせた。キューバ打線には下手投げが有効という指摘には「毎回対戦しているから、向こうも対策があるでしょう。下手投げに限らず、いい球を投げれば打たれない」と冷静だった。

★大塚「ヨッシャー!!」で締めるぞ

守護神の大塚は最後の大舞台で“胴上げ投手”を狙う。この日は全体練習で調整した後「勝っていれば、九回から出て、最後に三振を取って『ヨッシャー!!』と言いたい。このチームならメジャーに参戦しても勝てると思う。それぐらいいいチーム」。頼りになる抑えエースは最高の瞬間を夢見ている。

■王監督主催で決起集会

王監督は練習後、宿舎裏のシーフードレストランに選手、スタッフら約60人を集め、決起集会を開いた。「あした頑張ろう!っていっただけ。いまさらどうこういっても始まらんよ」。日本は五輪を含めた国際主要3大会で過去キューバに通算4勝32敗と負け越しているが「キューバどうこうより、明日の相手に勝ちたいだけだ」。
  準決勝(18日)のドミニカ共和国戦を自ら視察し「バットが金属から木に変わり本塁打がなくなった」と自信もチラリ。この日は二女・理恵さん(36)も現地入り。勝利の女神にも後押しされ、世界一に挑む。