|
2006.03.19 更新 ライバル韓国に衝撃!中国戦好投の中継ぎ・朴明桓が薬物失格
4日の中国戦で好投した朴。ドーピング検査で陽性となったため、大会の出場資格を失った 【米カリフォルニア州サンディエゴ17日(日本時間18日)田代学、広岡浩二通信員】迷惑球審の“ボブさん”どころではない。大事件が発生した。18日(日本時間19日)のWBC準決勝で日本が対戦する韓国にドーピングだ。WBC大会本部は17日(同18日)、韓国・朴明桓投手(28)がドーピング(禁止薬物使用)検査で陽性反応を示したため、出場停止にしたと発表した。使用薬物は明らかにされていない。同投手はWBCでは1次リーグの中国戦1試合(2回無失点)しか登板していないが、決戦前夜の韓国にドーピング発覚。精神的な影響が出るのは必至だ。 ◇ 練習を終えてホテルへ戻った韓国代表に衝撃が走った。150キロを超える速球派右腕の朴が、国際野球連盟(IBAF)が行ったドーピング検査で陽性反応。WBCへの出場停止処分が通達された。 「昨季後半から肩が痛くなり、注射を打ったり薬を飲んだりした。それが今回のテストで摘発されたようだ」 朴は韓国メディアにこうコメントした。検査実施日や使用薬物などの詳細は公表されていないが、貴重な中継ぎ右腕のドーピング発覚−出場資格はく奪で、チームへの影響は避けられない。
午前10時から日本の前に練習した韓国。夜になって衝撃の大事件が発覚した=AP 韓国代表はこの日、準決勝に進出した4カ国の先頭を切って午前10時から練習。会場となるパドレスの本拠地、ペトコ・パークで汗を流した。日本とはWBC3度目の対戦。18日の準決勝で敗れれば、1、2次リーグの連勝が水の泡になってしまうとあって、ピリピリムードが漂っていた。さらに先発の徐在応投手(28)=ドジャース=は、2次リーグの日本戦終了後に韓国の国旗をマウンドに立てた張本人だ。 「(日本の)誇りをキズつけたと聞いたが、(自分の行動とは)関係ないし心配もしていない。勝利を喜び、自然に出た行動だから」と、この日の会見で釈明したものの、徐に反発して直接対決でリベンジを誓っている日本選手は多い。 徐は内角を強気に突く速球に、チェンジアップやスライダーという多彩な変化球を織り交ぜるタイプ。「ケンカ投法」ともいえる気迫を前面に押し出す投手ということもあり、すでに一触即発ムードが漂っていた。 そんな日韓戦の前に起きたドーピング事件。出場停止処分を受けた朴はWBC1次リーグの中国戦(3月4日)に登板して2回を3奪三振の無失点。韓国チームの関係者は「1試合しか投げていないので(朴が出場停止になっても)戦力的に影響はない」と話しているが、WBCでの日韓戦は過去2試合とも1点差の接戦。延長戦の可能性も十分にある。総力戦になれば控え投手1人といえども貴重だ。 1次リーグから6連勝で準決勝に進出、兵役免除も決定した韓国の勢いを止めるようなドーピング。この影響が、3度目の日韓戦にどう出るのか注目される。 ■朴 明桓(パク・ミョンファン)1977年6月7日生まれ、28歳。チュンアム高から96年ドラフト1位でOB(現斗山)ベアーズ入団。昨季は20試合に登板し、11勝3敗、防御率2.96。WBCでは1次リーグの中国戦(3月4日)に2番手として登板、2回を無安打3奪三振に抑えた。1メートル86、92キロ。右投げ右打ち。年俸3億7000万ウォン(約4440万円)。 ■ドーピングスポーツの試合で好成績をあげるため、競技者の競技能力をステロイドなどの薬物や何らかの物質で増進、強化させること。輸血による血液ドーピングもある。肉体への負担や反スポーツ行為という理由で多くの大会で禁止されている。南アフリカの先住民カフィール族がDope(ドープ)という興奮作用がある薬を戦いの前に服用し、疲労回復、士気高揚のために使用していたことに由来する。 ■五輪では1960年のローマ五輪でドーピングによる初の死亡事故が起きた。68年のグルノーブル、メキシコの両五輪からドーピング検査が行われ、02年から血液ドーピングに対抗して、血液検査も導入された。近年では、88年ソウル五輪・陸上男子100メートルで世界新記録を出して金メダルを獲得したベン・ジョンソン(カナダ)が失格。04年アテネ五輪では、男子ハンマー投げのアドリアン・アヌシュ(ハンガリー)が金メダルをはく奪された。2月に開催されたトリノ五輪でも、バイアスロン女子15キロで銀メダルを獲得したオリガ・プイレワ(ロシア)が失格となった。 ★韓国紙は扱い小さくドーピング発覚にも韓国紙はあまり大きく報じなかった。一般紙の『朝鮮日報』は速報で、陽性反応は鎮痛剤が原因だと短く報道。スポーツ紙の『日刊スポーツ』は「なぜ今、発表したのか」という論調で、ドーピングそのものよりも大会本部の発表のタイミングなどを疑問視しながら伝えた。 ★日本も抜き打ち尿検査WBCは国際大会のため国際野球連盟(IBAF)の規定でドーピング検査を実施。日本選手も試合後には抜き打ちで尿検査を受けていた。結果はIBAFからWBC大会本部に伝えられ、違反者への処分が決められる。 ★韓国・金監督が日本を警戒韓国は日本より早く、午前中に軽めの練習で前日調整を終えた。金寅植監督(58)は会見で「ここまでこられて驚いている。優秀な選手が実力通りのプレーをしてくれたおかげ」と余裕を感じさせるコメント。しかし、日本戦については「準決勝に進めなさそうな状況にあった。その分、今まで以上の力やエネルギーがわき出ているかもしれない」と警戒した。
![]() |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆韓国・李鍾範外野手(35)
「子供のころから、日本だけには負けたくなかった。そのための厳しい練習に耐え、見返したいという強い気持ちから集中力が生まれる」