本文へ
 

イチローが先頭打者弾!2次リーグ突破へ“決起集会”開く

イチロー

完全復活の先頭打者アーチ。イチローは決起集会で意気消沈するチームメイトを盛り立てる=撮影・原田史郎

(WBC・2次リーグ1組、アメリカ4x−3日本、12日=日本時間13日、エンゼルスタジアム=田代学、大沢謙一郎、湯浅大、広岡浩二)惜敗した王ジャパンだが、イチロー外野手(32)=マリナーズ=は一回に先頭打者アーチを放ち、不振に終わった1次リーグからの完全脱却を遂げた。それでも、疑惑の判定も絡んだ後味の悪い敗戦に、試合後は厳しい表情。2次リーグ突破へ向け、負けられない状況に追い込まれたイチローは、13日の練習後に“決起集会”を開き、メキシコ、韓国連破への機運を高める。

悔しさを押し殺していた。会見場に姿をみせた天才は、終始、みけんにしわを寄せ、まっすぐと正面を見据えていた。

「きょうは日本の野球選手があこがれ続けたメジャーリーグの選手とついに戦う日がきて、勝つことができる可能性があるゲームでしたから、ただただ残念です」

優勝候補筆頭の米国をあと1歩のところまで追い詰めたとはいえ、負けた。リーグ突破へ、これ以上の敗戦は許されないだけに、イチローは13日の練習後に開催する“決起集会”で仲間たちを鼓舞するつもりだ。

「アナハイムにイチローがよく行く日本料理の店があるというので、そこに行くことになっているんです」

和田一が証言した。イチロー主催の食事会は早い段階から決まっていたが、この日の敗戦でくしくも、絶好のタイミングとなった。たわいもない話で盛り上がるのもいい。野球の話で気持ちを高ぶらせてもいい。次戦、14日(日本時間15日)に行われるメキシコ戦に向け、十分パフォーマンスが発揮できる環境を整えていく。

もちろん、プレーでも仲間を引っ張っていく。一回、右翼に先頭打者アーチを放ち、日本に「いける!」というムードを与えた。「僕の新しい自信にもなったし、このプレッシャーの中で思いきり振れたということが、僕にとっては大きなことでした」とWBC待望の一発の意義を語った。

会見では、米国記者から「王監督の抗議の間、なぜ守備につかなかったのか」と質問が飛んだが、「監督が抗議をしているときに、それを無視してフィールドに立つことはできない。選手全員が納得できなかったコールだから、選手も出なかった。そういうことです」と怒りを表現した。

だが2次リーグ残り2戦、メキシコ、韓国に連勝すれば米国と再戦できる可能性は残されている。

「(気持ちで)消化しづらいゲームですが、あした1日あるんでね。あしたゲームがあればつらいけど、よかったよね」

勝利への意欲をさらに強くした。イチローの下で一丸となった日の丸軍団は、もう負けない。

■データBOX

イチローの初回先頭打者本塁打は昨年8月29日のヤンキース戦(シアトル)以来で、「一回表」に限ると同23日のレンジャーズ戦(テキサス)以来。
  初回先頭弾はオリックス時代に8本(表7本、裏1本)、マリナーズでは17本(表10本、裏7本)。日米通算25本のうち17本を「一回表」に放っている。

★西岡「もう1度アメリカと」

イチローとの俊足コンビでチームを引っ張ってきた西岡だが、打撃では2安打1盗塁と活躍したものの、八回の走塁では誤審とはいえ痛恨のスタートミス。守備でも2失策を犯した。「あの場面は“なぜ?”と思いましたけど、判定が覆ることはないですし…。今日はボクのミスで負けましたが、あと2試合に勝って、もう1度アメリカとやりたい」とリベンジを誓っていた。

★小笠原が好ゲーム演出

好調・小笠原が地味ながらも好ゲームを演出した。二回無死一、二塁ではしっかり犠打を決めたほか、二回の守備では一死無走者から一、二塁間のゴロを横っ飛びで好捕。次打者のウェルズが左翼線二塁打を放っただけに、失点を未然に防いたビッグプレーとなった。「守備はよく捕ったというより、よく(ミットに)入ってくれた、という感じです」と謙虚に振り返った。

◆打っては2点タイムリーを含む2安打、守備でも背面キャッチなど攻守に活躍した日本・川崎

「米国の素晴らしいイメージが変わることはないですけど、それ以上に、ウチもいいチームなんだと自信がつきました」