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出撃態勢は整った!渡辺俊“乱調”韓国戦から復活3回0封

渡辺俊

世界一低いリリースで勝負。サブマリン渡辺が調子を取り戻してきた=撮影・原田史郎

米アリゾナ州メリーベール10日(日本時間11日)=湯浅大、大沢謙一郎】WBC日本代表の渡辺俊介投手(29)=ロッテ=が、ブルワーズとの練習試合で先発3回を無失点。3死球を与えた1次リーグ・韓国戦からの修正を完了した。これで米国での練習試合では先発3本柱が自責点ゼロ。王監督は2次リーグ突破を最強トリオに託した。

サブマリンの出撃態勢が整った。上原、松坂に続き、緩急自在のアンダースローが万全投球。渡辺が米国で本来のピッチングを取り戻した。

「カーブを投げたときに(相手)ベンチから笑い声が聞こえて…。なんで笑っているんだろうと思ったのですが、楽しく投げられました」

試合開始直後、地上5センチから放たれる90キロ台の遅球を見たブ軍ベンチから失笑が漏れた。だが、渡辺は3回を2安打無失点。笑っていた連中をその遅い球で黙らせた。先頭打者を塁に出した三回も、三振と邪飛2つで後続を断つ。高性能の“潜水艦”が敵を撃沈した。

1次リーグ・韓国戦ではまさかの3死球もあって、五回途中1失点で降板。「ボールが滑りました」と使用球への順応が遅れていた。しかし、この日は「(すっぽ)抜けるくらいなら(指に)ひっかかるくらいがいい」と開き直って全力投球。本領を発揮した。

この“復活劇”をもっとも喜んだのは、もちろん王監督だ。「渡辺はよかったね。(練習試合で)先発3人がよかった。体調に変化がなければこのまま(のローテーションで)いこうと思っています」。1次リーグではいまひとつだった3本柱が、米国での練習試合では合計12回を自責点ゼロ。この好結果に、王監督は日本の命運を“最強トリオ”に託すことを決めた。

なんといっても、この3試合の救援陣の防御率は11.08。球数制限が1次リーグの65球から80球に増えることもあり、好調な先発陣に少しでも長いイニングを投げてほしい状態になっている。王ジャパンの2次リーグ突破には、3本柱の快投が必要不可欠なのだ。

「ボクが投げるのは1試合。その1試合をキッチリと投げるだけです」。気合を入れ直した渡辺に、2次リーグ突破が狙える状況でバトンを渡せるか。現在の日本で考えられうる最高の3投手が、世界の列強に挑む。

◆米国戦に先発する上原

「球数は気にしない。(1次リーグ)中国戦は気にしすぎたので、次はインコースや遊び球を使っていきたい」

◆メキシコ戦に先発する松坂

「徐々にコンディションは上がってきている。試合までもう少しですから(状態を)上げていくことを意識して練習します」

【渡辺の韓国戦VTR】

3月5日、1次リーグ1位通過をかけた韓国戦(東京ドーム)に先発。2点リードの三回、死球がらみでピンチを迎えたが三飛に打ち取って切り抜けた。しかし五回にも死球がらみで一死一、三塁とし、右翼への犠飛で1点を献上。その直後にこの日3個目の死球で無念の途中降板。試合も八回、石井が李承ヨプに逆転2ランを打たれてまさかの敗戦となった。

■データBox

日本代表は渡米後、エキシビションゲーム3試合を終えて1勝2敗。先発投手は第1戦から上原5回無失点、松坂4回1失点(自責点は0)、渡辺3回無失点で3投手合計の防御率は0.00。ところが、2番手以降(のべ10人)の防御率は11.08(13回、自責点16)。このうち普段は先発の清水、小林、和田毅、杉内の4人に限ると13.50(7回1/3、自責点11)となる。前出4人以外の「救援専門」の投手だけの合計でも7.94(5回2/3、自責点5)だ。
 ちなみに、この3試合での失点率は0.72(18失点÷守備イニング25回)。1次リーグでは1位メキシコが0.27、2位米国が同0.35だっただけに、2次リーグ突破には厳しい数字だ。

★大塚、右足に打球受ける

守護神としての最終調整で八回からマウンドに上がった大塚が、アクシデントに見舞われた。

先頭打者のネルソンの打球がワンバウンドして右足甲にガツン。すぐに球を拾い投ゴロとしたが、軸足だけにボールに力が伝わらない。二死無走者までこぎつけた後、ストレートの四球をはさんで連打を食らい、久保田と交代した。

「(マウンドで)しびれが取れなかった。これだけ歩けるから大丈夫。骨に異常はないと思うよ」。試合後、テーピングで固定した右足を引きずりながら、大塚はロッカールームへと入っていった。前日にトリプル守護神の1人、石井が左肩の違和感で緊急帰国することが決まったばかり。11日まで様子を見るが、日本の救援陣がますます心配になってきた。

◆大塚の状態について鹿取投手コーチ

「本人が『大丈夫』といったか、らあのまま投げさせたけど、球が走っていなかった。正直(チームにとっても)痛いよ」

★杉内いきなり大炎上

2番手の杉内が大炎上。四回から登板し、いきなり3連打で1失点。六回にはプリンス・フィルダー内野手(21)に2ランを浴びるなど2回0/3を7安打3失点と散々だった。「低めの球は振ってもらえず、高めに投げたら打たれた」。打球を追って天然芝に足を取られるシーンも。好投すれば先発入りの可能性もあったが、中継ぎでの起用にも不安を残す乱調ぶりだった。