2008年04月04日 更新

第80回センバツ高校野球大会

聖望学園“幼なじみバッテリー”で初Vだ!

聖望学園は六回、村田の一塁内野安打で大塚が4点目の生還

聖望学園は六回、村田の一塁内野安打で大塚が4点目の生還

一回に谷の飛球をネット際で好捕する原茂

一回に谷の飛球をネット際で好捕する原茂

 (第80回センバツ高校野球大会、第13日、準決勝、聖望学園4−2千葉経大付、3日、甲子園)“幼なじみバッテリー”で初Vいただきだ!! 初出場の聖望学園(埼玉)は、大塚椋司投手(3年)が準決勝の千葉経大付(千葉)戦で完投。女房役の原茂走(はらも・そう)捕手(3年)も2安打し、関東勢対決を4−2で制した。4日午後12時30分から行われる決勝は春夏通じて初の埼玉VS沖縄決戦となる。

 聖望学園の大塚は、相棒のミスを帳消しにしようと神経を研ぎ澄ませた。4−1の九回無死一、三塁から、捕手・原茂(はらも)の二塁悪送球で2点差。なお無死二塁のピンチでも攻めの姿勢を崩さず、後続を三者連続空振り三振。決勝進出が決まると、両手を突き上げて雄たけびを上げた。

 「最後は全部三振を狙いました。勝ち急いだけど、みんなが声をかけてくれて落ち着いた。勝てて本当にうれしいです」

 序盤に3点を先行し、波に乗った。最速145キロの直球にカットボールを織り交ぜ、五回まで無安打投球。6安打2失点で、同じく大会屈指の右腕といわれた千葉経大付・斎藤との投げ合いを制した。

 「子供のころ一緒に甲子園に出たいとはいってたけど、ここまでこれるなんて信じられない」。試合後、幼なじみのバッテリーは感慨深そうに声をそろえた。ともに東京・福生市生まれで、保育園から一緒。福生第七小1年で野球を始め、福生第三中、そして聖望学園と11年間、バッテリーを組んできた。

 小学生時代に所属した福生フェニックスでは、原茂の父・繁雄さん(56)が監督で、6年前に他界した大塚の父・明世さん(享年53)がコーチだった。父の夢も背負い、白球を追いかけた。互いの家に泊まり、父や兄を交えて夜10時ごろまで練習したこともある。プロ注目の大塚が「自分をリードできる捕手は、(原茂)走くんだけです」というほどきずなは強い。

 沖縄尚学との決勝に向けて「決勝とか、関係ないです。楽しんで投げたい」と大塚。これまでと同じく二人三脚で戦い、夢の全国制覇をつかむ。

(近藤安弘)

★聖望学園・城戸はジンクスなんの

 勝利の瞬間、一塁手の城戸愉快(ゆかい)=2年=は、ほっとした表情を見せた。「朝起きてヤバイと。散歩のときに(大塚の右腕を)もみました」。実は試合前夜に城戸がマッサージすれば負けないジンクスがあるが、前日2日は2人とも忘れて寝てしまった。マッサージをしなかった昨秋の埼玉県大会決勝・花咲徳栄戦と関東大会準々決勝・慶応戦は負けていたため、気にしていたという。城戸は「今夜は忘れません」。


■聖望学園アラカルト

 ◆もとは養蚕 1918(大正7)年4月、寿多館(すだかん)蚕業学校として創立。蚕農家が多い土地柄だったため、その後継者を育てる学校として発足した。
 ◆現在はミッションスクール 25年4月に埼玉県飯能実業学校と改称。49年4月には飯能暁高校と校名変更。51年4月に学校法人聖望学園に組織変更。同年10月1日、ルーテル教団の経営により現在の聖望学園に。中学校も併設されており、週に1度、学年ごとの礼拝や聖書の授業もある。クリスマスが近づけば野球部員もリースづくりなどを行う。校訓は「敬愛信義」
 ◆所在地 埼玉県飯能市中山292。関純彦校長。普通科の私立共学校で、新入生を含め生徒数約1300人(男子800、女子500人)
 ◆主なOB TBS・秋沢淳子アナウンサー、巨人・門倉健投手、ヤクルト・小野公誠捕手、阪神・鳥谷敬内野手、歌手・声優のキンヤら
 ◆野球部 82年4月に創部され、夏は99年(2回戦敗退)と03年(ベスト8)の2度出場。部員は3年生22人、2年生34人、マネジャー4人。岡本幹成監督(46)、表隆則部長(46)

■データBox

 聖望学園(埼玉)が初の決勝進出。センバツ初出場での決勝進出は04年の済美(愛媛)から5年連続で、戦後30校目となった。これまで29校のうち、16校が初出場初優勝を成し遂げたが、05年から神村学園(鹿児島)、清峰(長崎)、大垣日大(岐阜)と3年連続で決勝で敗れている。聖望学園は済美以来、史上17校目の快挙がかかる。

■その時

 聖望学園の決勝進出が決まった瞬間、アルプス席では応援団全員が一斉に立ち上がり、喜びを爆発させた。原茂の母・治美さん(55)は、試合中にメガホンを使って「走く〜ん」と大声で応援。「甲子園を楽しんでくれている。苦しい練習があったからこそ今があるんだと思う」と感激の表情で、大塚の母・成美さん(45)と喜びを分かち合った。

◆聖望学園・岡本幹成監督

 「ここまでくるとは全く思っていなかったし、ついているなと感じる。(決勝は)打てないと思うので、ロースコアで粘りたい。決勝まで来て気取ってやる必要はない。今まで通り、思い切ってやればいい」

◆聖望学園・関口主将

 「つないで点を取るいい試合ができた。あしたは決勝ということをあまり考えないで思い切りやりたい」

◆聖望学園OBの阪神・鳥谷

 「テレビでちょっと見ました。(決勝進出は)うれしいですよ。ここまできたら頑張って優勝してほしいですね」

★千葉経大付・斎藤ガックリ…

 斎藤は一回一死から3連続四球を与え、続く大塚の二ゴロの間に先制点を許した。「集中しないといけなかった。マウンドで制球が定まらなかった」とガックリ。準々決勝の長野日大戦は7点のリードを守れず、この日も悪い流れを断ち切れなかった。斎藤は「一回から全力で投げられるようにしたい」と夏に向けて切り替えた。

★千葉経大付、守乱から失点に

 準々決勝で7失策した守備の乱れが、序盤に飛び出した。二回に谷の2失策、斎藤の暴投などで2点を追加された。松本監督は「自滅。甲子園でミスをしたら勝てないということ」と厳しい表情だ。76年夏に初出場優勝した桜美林(東京)のエース。監督として甲子園制覇の夢は04年夏に続き、準決勝で阻まれた。

◆八回に適時打を放った千葉経大付・稲葉

 「(第3打席まで)打てなかったので気持ちを切り替えた。久保田にどうしてもつなぎたい一心だった」